テレグラムCEO逮捕は、業界取締りの序章に過ぎないか:レポート
テレグラム(Telegram)のCEO、パベル・デュロフ(Pavel Durov)氏がフランスで拘束されたのは、プラットフォームに対する管理が行き届いていなかった容疑で、著名メッセージング企業やソーシャルメディア企業のトップが逮捕された初の事例となる。ギャラクシー・リサーチ(Galaxy Research)は、今回が最後の例とはならないだろうと現地時間8月26日のレポートで述べている。 デュロフ氏が週末に拘束された後、同レポートは、各国政府が暗号や暗号化技術を長らく敵視してきたと指摘した。 テレグラムとデュロフ氏は、欧州、より具体的にはフランス政府からの削除や情報提供の要請に抵抗していた可能性が高いとギャラクシーは述べる。テレグラムは、The Open Network(TON)ブロックチェーンと密接に結びついている。このブロックチェーンは、もともと同プラットフォームの内部プロジェクトだったが中止され、独立した開発者たちに引き継がれたという経緯を持っている。 「デュロフ氏に対する容疑が、どの程度 TONに対して、あるいはテレグラムとTONの連帯に対して絡んでいるかは不明だ」と、ギャラクシーのリサーチ総責任者であるアレックス・ソーン(Alex Thorn)氏は記した。 トンコイン(TON)は、かつてTelegram Open Networkとして知られていたTONブロックチェーンのネイティブ暗号トークンでもある。この暗号資産(仮想通貨)は、フランスのメディアがデュロフ氏をル・ブルジェ空港で逮捕したと報じた後、14%以上値下がりした。 「詐欺やマネーロンダリングの容疑の一部は、テレグラムとTONの連帯、または違法行為におけるTONの使用に関係している可能性がある」とソーン氏は述べる。
釈放はいつになるか
ブロックチェーンであるTONには世界中に350以上のバリデーターがあるが、そのうちテレグラムが運営しているものがいくつあるかは不明だと同レポートでは述べられている。したがって、「フランスやその他の主要国政府が、デュロフ氏逮捕の一環としてTONに対して干渉したり、停止させようとした場合、TONがどの程度持ち堪えられるものか」は明らかではない。 ギャラクシーは、TONの価値はテレグラムというメッセージングアプリとの一体化に大きく左右されると指摘した。 どれだけTONがデュロフ氏やテレグラムとの関わりを避けられるか、または、どれだけ他のブロックチェーンが犯罪助長の標的となるのを避けられるかは、おそらくどれだけ分散化されているかの度合いで変わってくるだろうと、同レポートは付言する。 フランスの検察当局によると、デュロフ氏は早ければ現地時間8月28日に釈放される可能性がある。しかし、ベッティング・プラットフォームのポリマーケット(Polymarket)では、9月末までの釈放に賭け金が集まっており、今月中の釈放は定かではないと見られているようだ。 |翻訳・編集:T.Minamoto|画像:Christian Wiediger/Unsplash|原文:Telegram CEO's Arrest Is Unlikely to Be the Last: Galaxy
CoinDesk Japan 編集部