【老齢年金】「繰上げ・繰下げ」を選択する人の割合は?受給開始年齢ごとの損益分岐点シミュレーション
結局は繰上げ・繰下げをどう判断すべき?
今回は年金の繰上げ受給・繰下げ受給について解説し、シミュレーションで損益分岐点を見てきました。 繰り上げと繰り下げの仕組みが分かると、結局何歳から受け取るのが一番お得なのかが気になるものですが、結論から述べるとこれには答えがありません。 年金の受給開始年齢については「損得計算」で考えるのではなく、自身の生活費から逆算して考えることが大切です。 仕事による収入がなくなったあと、いくらあれば生活できるのかを一度考えてみましょう。 たとえば、十分な金融資産がない場合や働くことができない場合は、年金に頼るしかありません。 60歳以降の家計収支が赤字になるケースでは、繰上げ受給を検討すべきでしょう。 一方、公的年金なしでも生活費がまかなえる場合や、働くことによる収入がある場合、貯金や公的年金以外の年金制度(iDeCoや個人年金など)の切り崩しができる場合は、繰下げ受給を検討してみてもよいでしょう。 人生100年時代と言われる長寿の今、長く生きることを想定して繰下げ受給をして備えることができます。 いずれにせよ、老齢年金だけでは老後生活資金が足りなくなる可能性があることを想定し、早めに老後資金の準備を始めておくと安心でしょう。 まずは将来どのぐらい老後資金が必要になるのか、計算してみてはいかがでしょうか。
参考資料
・日本年金機構「年金の繰下げ受給」 ・日本年金機構「年金の繰下げ受給」 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」
菅原 美優