「体調不良でも無理やり…」浮気を疑った夫が、執拗な監視や性的DV 妻は「もう、無感情です」離婚を決意
●性的行為の強要は、離婚事由や慰謝料の対象になる?
――相談者は、体調不良であっても無理やり性行為に及んだり、相談者が嫌がる態度を示しても身体を触ってきたりする夫に悩んでいます。性的DVに該当するとして、離婚理由や慰謝料の理由となるのでしょうか。 状況によっては離婚事由や慰謝料の対象になるとは思われます。 もっとも、夫婦間には、性交渉を求める権利、性交渉に応じる義務があるとした裁判例があります。そのため、「無理やり」な性交渉や「嫌がる態度」を示しても身体に接触したかどうかというのは、一方当事者の単なる主観や感情で判断されるのではなく、それまでの夫婦の関係性、話し合いや有形力行使の有無など具体的な経緯が非常に重要といえます。 刑事事件についての判例ですが、夫婦間でも強姦罪(改正前刑法)の成立を認めた事例もあります。少なくとも、婚姻関係が破綻しているのに、強引に性交渉に及ぶなど、犯罪にあたるような性的DVであれば、離婚理由や慰謝料の理由となることも確実であろうと思われます。 【取材協力弁護士】 瀧井 喜博(たきい よしひろ)弁護士 弁護士法人A&P 瀧井総合法律事務所 「あなたの『困った』を『よかった』へ」がモットー。あらゆる「困った」の相談窓口を目指す、主に大阪で活動する人情派弁護士。自由と自律性を押し出す新しい働き方、楽しく成長し続けることができる職場環境として、「ブラック」でも「ホワイト」でもない「カラフル」な職場の構築、拡大を目指して、日夜奮闘中。