ドラフト候補のKMG木下里都投手＝KMG提供

　クセ者獲得！　阪神からドラフト3位指名を受けたKMGホールディングス木下里都投手（23）が、強力投手陣に自慢の「特殊球」で割って入る。「指名されるかどうかと思っていた。思ったより上の順位で驚きました」と率直な心境を吐露。「レベルの高いチームでできるのはうれしい」と喜んだ。 　先発、中継ぎ含め、阪神投手陣のレベルの高さは知っている。「良い投手がそろっているので負けないように」。一番の武器は最速156キロの直球。これがただの真っすぐではない。「球質はカット気味に手元で曲がる」と自己分析。意図せず変化するから面白い。 　いわゆる「マッスラ」。阪神なら昨季リーグMVPの村上、侍ジャパンで23年WBCを戦った湯浅らが似たような球質といえる。「きれいな真っすぐを投げたいと思っていたけど、こっちの方が打者も打ちづらいと思う。他の人では投げられないようなボールだと思います」。特に左打者への内角球は大きな威力を発揮する。藤川監督が武器とした「火の玉ストレート」とはひと味違う魔球だ。 　チームでは主に先発。主戦として今夏はチームの都市対抗野球出場を導いた。先発への思いは強いが、まずはチームに貢献することが第一。先発で156キロを計測しただけに短いイニングなら爆発力アップも見込める。捕手梅野は福岡大の先輩にあたり「ぜひ受けていただきたい」と熱望。趣味は「アオリイカ釣り」。イキのいい男が福岡からやって来る。【中野椋】 　◆木下里都（きのした・りと）2001年（平13）1月27日。福岡県出身。小田部小1年から原北ウイングス少年野球クラブで野球を始め、原北中では白龍ベースボールクラブに所属。福岡舞鶴では1年夏からベンチ入りし同年秋から正遊撃手。福岡大1年時に投手転向。最速156キロの直球とスライダー、カットボール、ツーシーム、カーブを操る。家族は両親、姉、兄。183センチ、90キロ。右投げ右打ち。