「ずっと通っているから本当にショック」…。突如閉店を発表した早稲田の老舗町中華「メルシー」。しかし、店主に取材すると…明かされた閉店の"真相"とは?
6月29日、東京・早稲田にある老舗の町中華「メルシー」が突然閉店を発表し、多くのファンを賑わせた。 【画像】突如「閉店」を発表した早稲田のメルシー。タモリや吉永小百合も愛した「人気メニュー」と味わいあふれる「店内」の様子を見る(10枚)
■メルシーが突如「閉店」のお知らせ
当日来店した常連客には一通の手紙が手渡され、その手紙がSNSを通じて一気に広まった。
ご挨拶する間もなく申し訳ございません。 人手不足、後継者不足により継続が困難な状況になり、突然ですが本日をもちまして一旦店を閉めさせて頂く事になりました。 打開策を探すつもりではありますが、何分体力に不安を感じる年齢であるのも事実でございます。 何とかここまでやって来られましたのも、お客様に支えていただいたお陰であり、本当に心より感謝申しております。 皆様の健康とご多幸をお祈り申し上げます。 長い間ありがとうございました「メルシー」 スタッフ一同
これは常連に向けて店主・小林一浩さんの奥様が書かれたものだという。
店名である「メルシー」という言葉がこんなに悲しく響く手紙があるだろうか。
早稲田は早稲田大学のほか多数の学校が集まる都内屈指の学生街として知られる。この町には、懐に余裕のない学生に向けた「安い」「旨い」「多い」の三拍子がそろった「ワセメシ」と呼ばれる飲食店が多数存在する。
■多くの著名人が愛したメルシー
「メルシー」は「ワセメシ」の老舗の代表格。
かつてはこのエリアにも安くて旨い町中華がたくさんあったが、後継者問題で次々に閉店を余儀なくされ、「メルシー」の孤軍奮闘状態が続いていた。
「メルシー」は1958年に創業。
現在は二代目の小林一浩さんが営んでいて、お店は一度移転しているものの、60年以上にわたり、早稲田の町に愛されてきた、早稲田生のソウルフード。週末にはOBやOGも数多く集まり、タモリや吉永小百合が通う店としても有名である。
煮干しと醤油ダレがビシッときいたラーメンが看板メニューだが、先代が喫茶店をやっていた名残で、ドライカレーやオムライスなどの喫茶メニューがあるのも特徴である。