知人への暴行罪に問われた男性に無罪判決…「目撃者」から証言出てこず、福岡地裁「まことに不自然」
知人に暴力をふるったとして、暴行罪に問われた福岡県内の会社員の男性(51)の判決が30日、福岡地裁であった。岡本康博裁判官は「被害者の証言に変遷があり疑義がある」として無罪(求刑・罰金10万円)を言い渡した。 【写真】福岡地方裁判所
男性は昨年4月に福岡市博多区の飲食店で知人男性の胸ぐらをつかみ、引っ張ったなどとして起訴されたが、「暴力は振るっていない」と無罪を主張していた。
判決によると、知人が自ら撮影したけがの写真について、「撮影した経緯の説明に変遷があり、生じた原因や時期も厳密に特定できない」と指摘。また暴行の目撃者とする他の客らの証言が公判で出ておらず、「まことに不自然。暴行したとは認められない」と結論付けた。
弁護人の安井杏奈弁護士は「本人や知人、目撃者にきちんと話を聞き、捜査を尽くしていれば起訴されなかった事件だ」と話した。福岡地検の藤野晃俊次席検事は「判決内容を精査し適切に対応する」とコメントした。