<センバツここに注目>山梨学院・高橋海翔 「安打の延長が本塁打」 高校通算44発
3月18日に開幕する第95回記念選抜高校野球大会。主役候補の注目選手を担当記者が紹介します。山梨学院の高橋海翔(ひろと)内野手(2年)は高校通算44本塁打の大会注目の強打者です。 ◇「バットの芯で捉える能力が高い」 右打席でどっしり構える立ち姿は、明らかに1年前より迫力を増したように見える。高校通算44本塁打のスラッガー。3季連続出場で強力打線が売りの山梨学院で、名実ともに一回り大きくなり、春の甲子園に帰ってくる。 最もすごみを増したのは体格だ。筋力トレーニングに力を入れながら、「空腹の時間をとにかく減らすように」とこまめな補食を心がけた。70キロ台だった体重も80キロ台に達した。 明らかに大きくなった体から繰り出すスイングは迫力十分だ。「中距離打者なので、安打の延長がホームラン」と控えめだが、今回は大会屈指の打者として注目を浴びる。 「バットの芯で捉える能力が高い。4番に置きたくなる存在」。清峰(長崎)でセンバツ優勝経験がある吉田洸二監督(53)に期待され、1年夏から主砲に抜てきされた。下級生だった前チームでも不動の4番に座った。昨秋の公式戦10試合で4本塁打はセンバツに出場する全選手で2位タイだ。「一振りで仕留める打撃がすごい」と、プロ野球史上最年少で3冠王に輝いた村上宗隆(ヤクルト)に憧れる。 「(先輩に甲子園に)連れてきてもらった立場」だった2年時の甲子園は、春、夏ともに初戦で敗れた。自身も安打こそ放ったが「全国レベルの投手はコースにピタッと投げ分ける。事前準備の大切さを痛感した」と振り返る。 「甲子園で負けた悔しさを誰よりも知っている」。最上級生になった今回は人一倍強い責任感を胸に秘め、「チームに流れをもたらす一打」が自身の役割と考える。今度こそ聖地で快音を連発し、チームを上位進出に導く。【川村咲平】