【解説】「カナダはアメリカの51番目の州になるべき」カナダ・トルドー首相の辞任受け…トランプ氏が“持論”展開 カナダ国民の82%は反対
カナダで6日、トルドー首相が辞任の意向を表明した。 物価高騰や住宅不足で支持率が低迷し、党内外からの圧力が背景とされる。 アメリカのトランプ次期大統領は「カナダはアメリカの51番目の州になるべき」と、合併論を再び提起したが、大半の国民は反対の立場を示している。 【画像】「一緒になれば、どんなに素晴らしい国家になるだろうか!」と主張したトランプ氏
支持率低迷受け…トルドー首相が辞任表明
カナダのジャスティン・トルドー首相は6日、首相を辞任する考えを明らかにした。 トルドー首相は6日、記者会見で「党首として、選挙で最善の選択肢になれないことが明確になった」と述べ、首相と与党・自由党の党首を辞任する意向を表明した。 カナダでは、物価高騰や住宅不足などの問題を背景にトルドー首相の支持率が低迷し、党内外から辞任を求める声が高まっていた。 トルドー首相は、2015年にカナダ史上2番目の若さとなる43歳で就任し、在任期間としては現職のG7(主要7カ国)首脳の中で最長となる。 辞任表明を受け、アメリカのトランプ次期大統領は、自身のSNSで、「多くのカナダの人々は、アメリカの51番目の州になることを望んでいる」とあらためて持論を展開し、そのうえで、カナダがアメリカと合併すれば関税もなくなり、中国やロシアの脅威からも守られるとして、「一緒になれば、どんなに素晴らしい国家になるだろうか!」と主張した。
多くの人が合併を望まず…82%が反対
ここからは、フジテレビ・立石修解説委員室長が解説する。 青井実キャスター: ーー実際にアメリカが、カナダを合併することはできないですよね? フジテレビ・立石修解説委員室長: カナダは主権国家なので、現実的に無理です。第1次政権でトランプ氏は、トルドー首相に対し、「二枚舌」や「弱虫」といった痛烈な批判を繰り返していました。今回も貿易交渉で優位に立つため、求心力の落ちたトルドー政権への揺さぶりかと思われます。 青井キャスター: トランプ氏は「多くのカナダの人々は、アメリカの51番目の州になることを望んでいる」などと発言しています。 カナダがアメリカと合併すれば関税もなくなり、中国やロシアの脅威からも守られるとして、「一緒になれば、どんなに素晴らしい国家になるだろうか!」と訴えています。 ーーアメリカとカナダは隣国ですが、カナダに住む人はどう思っているんですかね? 立石解説委員室長: カナダメディアによると、トランプ発言を受けた世論調査では82%が反対しています。13%が「肯定的」とのことですが、カナダの政治学者によりますと、これは非常に限られた、限定的な層であると指摘していて、やはり多くの人が合併を望んでいないということです。 青井キャスター: そんな中で、カナダのトルドー首相が、首相を辞任する考えを明らかにしたわけです。 ーーカナダでは物価高騰や住宅の価格高騰などの問題を背景に、トルドー首相の支持率が低迷し、党内外から辞任を求める声が上がっていたということですが、そんな中でのトランプ氏の強硬姿勢 どう見ますか? スペシャルキャスター・山口真由さん: カナダとアメリカは、国としても近いわけです。何が違うかと言えば、カナダの方がよりリベラルだし、トルドー首相はかつてその象徴的存在だったわけです。今、トランプ氏の強硬姿勢の前に、あの時ハツラツとしていたトルドー首相が急速に色あせて見える。世界的なリベラルの退潮っていうのを、“トランプ主義”の前に私は感じました。 青井キャスター: ーーカナダも日本も、同じG7で、アメリカとの関係が深い同盟国ですよね。今後、トランプ氏は日本に対しても、強硬姿勢は変えないのでしょうか? 立石解説委員室長: トランプ氏は、トルドー首相と対立関係なので、首脳同士の関係性が大きく影響します。 最初の日米首脳会談がどうなるかが注目されます。 (「イット!」1月7日放送より)
イット!
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