イノシシ猟の最中に遭遇「突然向かってきたらしい」 岩国市でのクマの襲撃受け山口県が緊急対策会議
山口県岩国市寺山の山中で狩猟中の男性がクマに襲われたのを受け、県は4日、同市役所で緊急対策会議を開いた。猟や登山で山に入る人への注意喚起を徹底することを確認した。県内での今年の人的被害は3件目で、集計を始めた1993年度以降で最多となり、関係機関は警戒を強めている。 【地図】男性がクマに襲われた場所 会議は市や岩国署、地元自治会などの13人が出席。市猟友会の上地義和会長(77)が被害状況を説明した。3日、イノシシ猟で会員14人が山に入り、イノシシを追い立てる勢子(せこ)役の3人がツキノワグマに遭遇。うち50代男性1人が襲われ、大けがをしたという。上地会長は「突然向かってきたらしい。会員が襲われたのは初めてだ」と語った。 県自然保護課の木本浩慈課長は、県猟友会を通じて県内の猟友会への注意喚起を徹底すると説明した。登山客にクマ出没を知らせる看板の設置は「地域ごとに検討してほしい」とした。 県は16日までを期間とするクマ出没警報を周辺の南河内地区に出した。市は地区内に捕獲用のおりを設置し、各戸へのチラシ配布などで警戒を呼びかける。地元の河内小では集団下校などの対策を続ける。 県内では山中だけでなく人の生活圏内での目撃情報も相次いでいる。対策会議では広く注意を呼びかける住民説明会の開催や、積極的なわなの設置を求める意見も出た。
中国新聞社