「忍たま乱太郎」の“土井先生”に惹かれるワケ 大人にも刺さるその魅力とは
テレビアニメ「忍たま乱太郎」に登場する忍術学園の土井半助先生をご存じだろうか。子どもだけではなく、大人の女性たちの人気を集める異色のキャラクターだ。直近公開の映画では、ついに主役を張る。AERA2024年12月16日号より。 【イラスト】「雑誌『an・an』の付録ポスターにもなるモテ男 土井先生」はこちら * * * 「#あなたの初恋を盗んでいったキャラは?」 「#初めて恋したアニメの人物」 ネット上でそんなタグがあふれる意外な男性キャラクターがいる。アニメ「忍たま乱太郎」に登場する忍術学園一年は組の教科担当教師・土井半助、通称土井先生だ。 近日発売される「an・an」の特別とじ込み付録が土井先生のポスターだったり、12月20日に封切られるアニメ映画「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」でキーパーソン的役割を担ったり、ここへ来てさらに人気に火がついている気配も。 ■1993年に放送開始 土井先生の何が、女子たちの目をハートにするのか。それを探る前にまずは土井先生が活躍する「忍たま乱太郎」について、おさらいしておこう。 アニメの原作漫画「落第忍者乱太郎」が朝日小学生新聞で始まったのは1986年のこと。その後、93年には「忍たま乱太郎」というタイトルで、NHKでのアニメの放送が始まった。 基本は忍者の学校を舞台にしたギャグ満載のストーリーだ。ドタバタのなかに師弟愛あり、バトルあり、友情あり。子ども向けにもかかわらず、女性ファンが多いこともこの作品の特徴といわれてきた。 その特徴を作り出してきた一番のキラーコンテンツと目されるのが、土井先生だ。 漫画でもアニメでも最初から、子どもたちに慕われる先生として登場。アニメキャラ界の火野正平の異名……は聞いたことがないが、とにかくモテモテの二次元キャラクターとして、小学生女子やママたちのハートをわしづかみにしてきた。 SNSなどにある“土井先生ラブ”な書き込みをのぞくと、その魅力の一端がわかる。 「小学校のときから、私も周りの女の子もみんな大人な土井先生の大ファン。気がつけば自身の年齢が25歳の土井先生よりずっと年上に。今は子どもたちへの愛など違う視点でラブです」「ビジュアルや声優の関俊彦さんの声も大好き。理想の先生ですね」「きり丸を思う気持ちなど、ギャグアニメなのに見ていてウルッとくることも多いです」などなど。
■職人気質にシビれる また、「火薬の配合を間違えたり、抜けた一面もある優しい先生!というイメージでしたが、大人になった今、テレビアニメを見返してみると、こんなに強かったことに驚きます。このギャップもカッコいい!」という声もあがる。ちなみに筆者は、「忍者は戦うものじゃない。そんなことは武士にまかせておけばいい。忍者の本質は逃げて生き延び、やるべき任務を全うすることだ」みたいなセリフから見える土井先生の職人気質に、妙にシビれたことがある。(ライター・福光恵) ※AERA 2024年12月16日号より抜粋
福光恵