「安倍談話」注目すべきポイントは? 米ボストン大教授が解説
取材に応じた、ボストン大のトーマス・バーガー教授(撮影協力:NewTV)
安倍首相はきょう、戦後70年の談話「安倍談話」を発表する。その内容は国内外から大きな注目を浴びているが、この「安倍談話」で注目すべきポイントはどのような点なのか。ボストン大学の国際関係学教授で、日独の安全保障や政治文化論を専門とするトーマス・バーガー教授に解説してもらった。
過去の談話をどれほど継承するか
「安倍首相は、日本国内だけではなく、海外からも非常に大きなプレッシャーにさらされている」と、バーガー教授は話す。安倍首相は今日、何を話すのか。「安倍首相は、村山談話、河野談話という過去の政権が以前言った内容を、ただ繰り返したくないと示唆している。彼は(以前のような考え方に対して)懐疑的なのだ。彼は、歴史問題に対して非常に保守的な考え方をしている。修正主義者のような理解だ。彼は、日本が謝るべきことが多くあるとは、個人的に考えていない」 一方で、東アジアは緊張を増している。「東アジアには現在、歴史問題に影響されている様々な問題がある。東アジアが安全保障面を含む様々な面で、より難しい地域になりつつあり、利害対立はより深刻になってきている。北朝鮮における不安定な状態と、中国の再軍備の両面から緊張は激化しており、アメリカと中国の軍事的競争が激化していることも緊張の理由だ」。だからこそ、「東アジアにおいて政治的関係を安定させようとすることが、非常に、非常に、重要なのだ」と教授は強調する。 安倍談話の一つのポイントは、「過去の談話からどれほど継承されるかということだ。なぜならば、安倍首相は村山元首相が言ったことを繰り返したくないと述べていたからだ」。安倍首相の個人的な見解と、東アジアの政治的関係を安定させるための中国・韓国など周辺国への配慮。このバランスを談話でどう保つのかが、一つの注目すべき点となる。
「謝罪」についてどう触れられるか
また、注目されているのが、「謝罪」についてどう触れられるかだ。これは被害者の感情に配慮することのみでは解決できない、難しい問題をはらんでいると教授は指摘する。