日大アメフット第三委と大学の2つの報告書の温度差は停止解除にどう影響?
3つ目は、今後、監督、コーチの質を確保するための手段について、日大の改善報告書では、ほぼ触れられておらず、研修会の実施や、月に一度の父母会との意見交換会などが書かれているに過ぎなかった。 一方、第三者委員会の案には、今後、監督、コーチを適切にモニタリングしていくために「評価制度の導入、選手からの相談窓口の設置、外部有識者やOBの視察制度」などを導入することや、「各競技部監督、コーチを集めた横断的ワークショップの実施」など、具体的なプランが並んだ。また新監督の橋詰功氏とは、その指導が浸透する時間が必要なため複数年契約を結ぶ必要があることも提案された。 また重要な選手とのコミュニケーション、相談窓口の設置について、日大の改善報告書では、まったく機能しなかったにもかかわらず、従来の学生相談窓口の利用と、臨床心理士が巡回する新規の「保健体育審議会スポーツサポートセンター(仮称)」の設置を検討することなどが書かれていたが、第三者委員会が盛り込んだ「信頼すべき相談体制を整備することが重要で、中立性、客観性を確保し、相談者が不当な不利益を受けないような工夫と配慮をするべき」というような文言はなく、形骸化する危険性を感じるものだった。 これから第三者委員会が出した再発防止策を日大がどれだけ汲み取って実行していくのか。 勝丸委員長も「私たちの報告を真摯に受けとめ実施していくことが条件になっている」と言うが、今日31日に理事会を開き、検証委員会の出した結論を叩き台に最終結論を出す関東学連は、明らかに不備のある日大の改善報告書だけを検証している。 一部では、すでに日大参戦を念頭においた今季のスケジュールが組まれており、出場停止解除の方向に進んでいるのではないか、という情報も流れているが、第三者委員会の作った再発防止策の検討、摺り合わせ作業が、関東学連が設定した締め切り期限に間に合わなかったことは悲劇かもしれない。