ＤｅＮＡ・牧秀悟

◇データで裏付け　専門家が分析＜侍ジャパン編＞ 　大黒柱として、チームをけん引してもらうしかない。日本シリーズ終了後、今度は侍ジャパンの一員としてプレミア１２に参戦するのがＤｅＮＡ・牧秀悟内野手（２６）だ。ヤクルト・村上、巨人・岡本ら大砲候補が相次いで離脱する中、４番候補となるスラッガー。２０２３年の第５回ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）にも出場するなど、今や侍ジャパンの常連となった男のストロングポイントとは…。データで解析した。

　

　新人だった２０２１年からレギュラーとして試合を重ね続け、４年間で５４８試合に出場。プレミア１２の日本代表に選出された牧を表現する上で欠かすことができないのが、そのタフネスぶりです。この４年間の出場試合をランキングにすると６位（表１）。守備の負担の大きい二塁手をメインとしながら、大きな故障を経験することなくチームの勝利に貢献しています。

　

　もちろん試合に出続けることだけが牧の真価ではなく、プレーヤーとしての「質」の面でも優れています。走攻守の総合的な評価指標であるＷＡＲ（Ｗｉｎｓ　Ａｂｏｖｅ　Ｒｅｐｌａｃｅｍｅｎｔ）において、この４年間で記録した２１・４はＮＰＢ全体で３位に値します（表２）。トップのヤクルト・村上のように打撃タイトル独占の派手な記録はありませんが、打率３割前後をキープしつつ毎年２０本塁打以上を放つなど安定した打撃で打線の中核を担っています。

　

　今季のＷＡＲは４・９で７位（表３）。二塁手の目線で見ると、巨人の吉川が５・６の４位と上をいきます。ＷＡＲの内訳を見ると守備面での差が開いており、よりディフェンシブなプレーヤーである吉川に軍配が上がった格好になりました（表４）。

　

　また、かつては国際試合への対応に関して海外のスピードボールに対応できるか、という点がよく問われていました。当コラムでも幾度か触れていますが、ＮＰＢの高速化は継続しており、今季のストレートの平均球速は１４６・７キロに到達（表５）。プレミア１２の代表に選出されるのは米国のマイナーリーグや各国リーグの選手が中心です。

　

　プレーヤーのレベルでいえばＮＰＢが最上位に位置すると考えられるため、国内の環境で結果を残すことができれば大会での活躍を期待できます。今季の牧の球種別打撃成績を見るとストレートにめっぽう強く（表６）、打率３割を大きく超える数字を残しています。　（データスタジアム社アナリスト・佐々木浩哉）