日本人の4人にひとりはいる「謙遜さん」。何でも自分のせいにしてしまう40代女性が、謙遜さんの苦しみから抜け出した方法とは?
日本人の4人にひとり!「謙遜さん」の実像に迫る
「謙遜」は日本人にとって美徳とされていますが、それが過ぎるために生きづらさを感じてしまうことはありませんか? 仕事でいくら成果を出しても自信が持てない。周囲から能力を認められても、本当は能力がないことがバレるのではないかと恐れている。他人から期待されるとプレッシャーを感じる……など。 このように過度に謙遜してしまう人たちを「謙遜さん」と呼び、その心理メカニズムや生きづらさの解消法を紹介しているのが『「どうせ私なんて‥‥‥」がなくなる「謙遜さん」の本』という書籍です。 本書によると、日本人の4人にひとりは謙遜さんの気質があるといわれており、以下のチェックリストの項目にひとつでも当てはまった人は該当するそうです。
いかがでしたか? 当てはまった人は意外と多いのではないでしょうか。 そこで今回は、本書からAさんという40代女性の謙遜さんのエピソードを中心に抜き出し、謙遜さんの実像に迫りたいと思います!
一方的に叱ってくる上司に対し、謙遜さんがするべきことは?
ここで登場していただくのは、コンサルタントとして働く40 代女性Aさんです。謙遜さんは、つい「私が悪い」「自分のせい」と考えがち。なので、人とあつれきが起きたとき、状況はどうあれ、自分を責めてしまいます。 Aさんもそういった思考パターンのもち主でした。 営業職から転職して1年目のAさんは、未経験でのチャレンジだったこともあり、上司から叱責される日々が続き、業務に自信がもてず強いストレスを感じていました。 しかし話を聞くと、外国語が堪能で仕事のスキルも高く、話しぶりも理路整然としています。異業種に転職できたのも納得できる有能さがうかがえました。 ところが、ご本人は「上司に叱られるのは、すべて自分の能力不足であり、努力不足のせい」と自分を責めていらっしゃいます。たしかに、慣れない仕事で戸惑う部分は大きかったでしょう。思うように成果が出せなかったのは事実かもしれません。 とはいえ、そんなAさんを一方的に叱る上司も問題です。 そこでAさんには、まず上司からの批判や叱責は、いったん脇に置き、業務上の連絡や相談を淡々と進めることをお話ししました。 といっても、面と向かって叱られるのですから、すぐにできるはずもありません。ご本人も、「頭ではわかっていても、実際の行動はむずかしい」とのこと。そんなAさんにお伝えしたのが、「相手の課題と自分の課題を分ける」という考え方です。 これは、ベストセラー『嫌われる勇気』で有名なドイツの精神科医・心理学者のアルフレッド・アドラーが提唱したものです。