気候変動 「自分事」に 沖縄の大学院生が出前講座 徳之島の亀津中学校
気候変動問題と大学院進学について考える出前講座が25日、鹿児島県徳之島町立亀津中学校(政岡健作校長、207人)であった。沖縄科学技術大学院大学(沖縄県恩納村)の研究者2人が講師となり、2年生73人に海洋酸性化の問題や大学院生活について話した。 沖縄科学技術大学院大学は、沖縄で世界最高水準の研究を行うことで沖縄の振興と自立的発展に寄与するため、2012年に開学した5年一貫制の博士課程のみの大学院大学。 海洋気候変動について研究する講師2人が、海の酸性化や温暖化が及ぼす影響について解説。実際に酸性化が進む様子を示すため、海水にドライアイスを入れる実験を披露。アルカリ性の海水は直ちに酸性に変化し、会場からどよめきが起こった。この海洋酸性化の影響でサンゴや貝が骨や貝殻を作ることができなくなっている現状についても説明した。 また2人は大学院進学という進路選択をしたエピソードも紹介。同大学院大学の河合恵理奈技術員(36)は「好きなことを見つけ、やれるところまでやってみたことが今につながった」と話し、博士課程の大島アイシェ遥さん(27)は「この大学院では刺激される仲間の出会いに恵まれたことが良かった」と研究生活の魅力を語った。 講話を聞いた生徒たちは「海洋酸性化が進む速さに驚いた。二酸化炭素を減らすためにごみの量を減らしたい」「失敗を恐れず積極的にチャレンジする重要さを教わった」などと感想を語っていた。
奄美の南海日日新聞