個人事業主に新たな試練!?6月から始まる「定額減税」…たった1年で終わる複雑怪奇な制度で混乱必至
改めて考えたい「インボイス登録」の必要性の有無
最後に、個人事業主、企業、国に対する希望を聞いてみた。 「インボイス制度未登録の方は、雰囲気で登録しないでほしいですね。ひとり一人、状況が違うので、取引先から相談されたら考えるくらいでいいと思います。私のYouTubeチャンネル以外にも、本やブログでもインボイス制度や消費税について解説しているものは色々あるので、そういったものを見て勉強してから登録するしないを考えていただきたいです」 企業に対しては、あらゆるインボイスに関わる会社、特にオンライン販売をメインにしている企業への要望があるという。 「購入履歴の保存・確認期間の延長をお願いしたいです。電子帳簿改正によって、ある程度ダウンロードしなくて良くなったものの、大手のネットショッピング以外は1~2年で購入履歴が消えるところが多いので。せめて国の定めた7年間は保存してほしいです」 最後は国への要望だ。山田さんをはじめとする税理士だけでなく、国民からの希望ともいえるだろう。 「国には、消費税の知識の普及と少額特例の拡充をお願いしたいです。売り上げ1億円以下なら1万円未満はインボイス不要というのは継続してほしいですし、なんなら売り上げ1億円以下という条件をなくしてほしいです。インボイス不要というのも1万円未満ではなく3万円未満に。これが違うだけで、経理作業はかなり楽になりますし、そこまで税収も変わらないと思います」 副業やフリーランスが増えている昨今。国もこれらを応援しているのであれば、税法を伝える努力は必要だろう。また、納税は国民の義務であるため、私たちは税法を理解する必要もある。双方の歩み寄りが必要だ。 「自分に関係する税法や制度を調べるために、国税庁のホームページを見るという手もありますが、正直なところ、誰もがきちんと理解するには難しいと思います。それに、さまざまなケースがあるので、個別対応できる工夫もしてほしいです。そういった税法の教育や個別サポートが難しいのであれば、やはり少額特例の拡充や2割特例の継続などを検討してほしいですね」 取材・文:安倍川モチ子 WEBを中心にフリーライターとして活動。また、書籍や企業PR誌の制作にも携わっている。専門分野は持たずに、歴史・お笑い・健康・美容・旅行・グルメ・介護など、興味のそそられるものを幅広く手掛ける。
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