自分らしい人生について考えて… 医療介護職員らが市民公開講座で披露する寸劇を練習
自分らしい人生について考えてもらおうと、京都府福知山市内の医師、看護師、ケアマネージャー、消防署員、市や府の職員ら約20人が、劇団寺子屋として、市民公開講座で披露する寸劇の練習に取り組んでいる。自宅療養を希望し、家族に看取られたがん患者の物語を、笑いあり、涙ありの舞台で届ける。11月16日、12月7日に市内2会場で開く。事前申し込みがいるが、無料で参加できる。 一般社団法人福知山医師会主催。府中丹西保健所、市共催。 「最期まで自分らしく生きるために」がテーマ。もしもの時に自分が望む医療やケアを前もって考え、家族や医療者と共有しておく「アドバンス・ケア・プランニング」(ACP、通称・人生会議)の普及、啓発のため、医師会などと連携する市包括ケア推進課連携推進係で内容を練った。 夜久野町額田上町、西垣内科医院の西垣哲哉院長が、経験した事例をもとに脚本を執筆。同係で練り上げて寸劇「自分らしく生きぬいた患者さんのお話」に仕上げ、介護や医療などに関わる幅広い職種の人たちが出演者として協力する。 西垣院長が患者役を務め、牧の渡辺医院の渡邉正院長がかかりつけ医を演じる。「死ぬんやったら家の方がええわ」という患者の思いに寄り添った家族、一緒に支えた訪問看護師、ケアマネージャーらの姿も描かれ、専門職のこだわりもあって自宅療養、診察などの各シーンはリアルな出来栄え。療養場所は自分で選べること、家でもちゃんとした治療が受けられることなども伝える。 出演者たちは8月から練習を始め、10月22日は内記二丁目の市総合福祉会館で5回目に取り組んだ。本番さながらの通し練習をし、和気あいあいとした雰囲気で「この場面はBGMが無い方が良い気がする」「最後のシーンはこれで良かった?」などと確認した。 公開講座では、寸劇の後、長山町の古木内科医院、古木勝也院長が率いる生バンド演奏があり、古木院長が劇に合わせて作曲したオリジナル曲などを奏でる。 同連携推進係の柳彩千さんは「ACPを、分かりやすく伝えようと寸劇を採用しました。実際の専門職が登場するので、親近感を持ってもらえるのではと思います。また、練習を通じて私たち専門職が、横のつながりを築く機会にもなっています。多くの人に見てもらい、自分事として生き方を考えるきっかけにしてもらえれば」と来場を呼びかけている。