「できることは全力で頑張る」見えない病気と向き合う少女が小学校までの1.5キロを諦めずに歩く理由は
外見からは分からない病気や障害について、皆さんはどのくらい知識を持っているだろうか?2024年春、宮崎市の小学校に入学した今村華蓮さんは生まれつき心臓の難病があるが、その病気は見た目からは分からない。華蓮さんにとって、歩いての登校は決して楽なものではないが、学校への道のりに同行すると、彼女の強い意志が見えてきた。 【画像】外見からはわからない病気 見えない病気への理解を深める
「見えない」心臓の病
血液を肺に送るポンプの役割を担う右心室が生まれつき極端に小さく、正常な血液の循環ができないため全身の酸素が不足してしまう、先天性の心臓病を患う華蓮さん。 成長に合わせて3回の手術を行い、生後6カ月から酸素チューブを付ける生活を送ってきた。 酸素チューブを外すことができ、幼稚園に通うことができた華蓮さんは2024年春、小学校に入学した。華蓮さんの患う病は先天的なもので、生涯、病と付き合っていかなければならない。 入学式の日、華蓮さんの父親、裕之さんは教室で華蓮さんの病気について説明する時間を設けてもらった。 「後ろから押したりすると頭を打ったりして頭の中で出血をするというのが怖い。もし気分が悪そうにしていたら、先生に言うなどして対処してほしい。」
病と付き合っていくということ…
華蓮さんは薬を毎日数種類服用し、心臓に負担がかかる運動はできない。学校までは1.5キロ。歩いて40分。普通の運動ができないため、基礎体力をつけるためにも歩いて行っている。 激しい運動をすることができず、危険を伴うため、慣れるまでは家族が付き添う。華蓮さんは血液を流れやすくする薬を飲んでいて、けがをした場合血が止まりにくくなる。そのため、階段を上る際は、転ばないように手すりを使って一歩一歩ゆっくりと上らなければならない。 登校中には「胸がはーはー」すると言いながらも、決して帰るとは言わない華蓮さん。 それにはある理由があった。
華蓮さんが頑張る理由
幼い頃は酸素チューブをつけていたため長時間の外出ができなかった華蓮さん。4歳の頃に酸素チューブは外れたが、コロナ禍により人との接触を控えなければならなかった。不自由が多かった幼少期、小学校に入学し、自由に歩くことや友達を作ることを楽しみにしていたのだ。 学校に到着した華蓮さんは、お父さんの「今日も一日がんばるぞ」という言葉に「おー!」と元気に拳を上げた。できることは全力でやる、という華蓮さん。待ちに待った学校生活に、彼女が頑張る理由があった。