CS突破を決めて会見する小久保監督（撮影・西田忠信）

　クライマックスシリーズ（CS）ファイナルステージでは、レギュラーシーズン優勝のソフトバンクが2位の日本ハムを破り、アドバンテージの1勝を含む4勝0敗として4年ぶり21度目（南海、ダイエーを含む）の日本シリーズ進出を決めた。 ■今季構想外が発表されたソフトバンクの選手 　3連勝で圧倒した背景には小久保裕紀監督ら首脳陣のCSへの準備力があった。 　ソフトバンクは9月23日のオリックス戦（京セラドーム大阪）でリーグ優勝を早々に決めた。その後、レギュラーシーズンは8試合残っていた。いわゆる「消化試合」だが、小久保監督は「クライマックスシリーズに向けての作戦、戦術に切り替えていきたいと思います」と話し、8試合の有効活用に舵を切った。 　早速、次戦からシーズン途中加入したジーター・ダウンズ、2軍暮らしの続いていた谷川原健太、中継ぎでの起用を検討してベテランの和田毅を1軍に呼んだ。そのダウンズは28、29日の日本ハム戦（エスコンフィールド北海道）で9打数5安打と猛アピール。中でも加藤貴からは3打数2安打1本塁打と相性抜群だった。 　小久保監督は「（日本ハムは）左投手の先発が多いし、中継ぎにも左がいる。ホークスは左打者が多いので（右打者がほしい）。もし右ではまってくれればと思っていたらエスコンであの活躍だった。日本ハムが来たら間違いなくCSのメンバーだと思った。首脳陣で一致しました」と明かした。そのダウンズを加藤貴が先発した2戦目に1番で起用し、2安打4出塁。思惑通りの〝ハムキラー〟として躍動した。 　さらに野手では柳田悠岐の復帰プランも機能した。右脚の負傷で長期離脱していたが、9月20日の2軍戦で実戦復帰。DHから守備と段階を踏み、9月30日のオリックス戦（みずほペイペイドーム）で1軍に戻ってきた。1軍で4試合出た後、みやざきフェニックス・リーグにも参加し、CS初戦では1番に起用し、打線にインパクトを与えた。 　CS3試合ではいずれも9回のマウンドに守護神のロベルト・オスナが君臨した。こちらも腰の検査と治療で渡米するなど長期離脱していた。再来日後はファーム1試合の登板のみで1軍で状態を上げていくことを選んだ。V決定後は5試合で4セーブ。小久保監督は「ここ（CS）で9回にはめるためにレギュラーシーズンの終盤から調整をしていた。ここに9回で戻ってくるための準備が良かったということですね」と大きくうなずいた。 　次は26日からの日本シリーズ。小久保監督は「まずはCSの疲れをいったんとって、いい準備をできるようにしていきたい」。20日からは全体練習を再開し、次なる準備を進める。（小畑大悟） 【#OTTOホークス情報】 ▼CS3連戦では〝禁じ手〟も…ソフトバンク小久保監督のメッセージは（おすすめ記事）から▼