ドジャース・大谷翔平、激走で強肩ジャッジに勝った! 三塁タッチアップで直接対決
【ニューヨーク9日(日本時間10日)=山田結軌、竹濱江利子通信員】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(29)はヤンキース戦に「2番・DH」で出場し、八回に左翼線二塁打を放つなど4打数1安打だった。八回は三進後に右翼定位置付近の飛球にタッチアップし、強肩のアーロン・ジャッジ外野手(32)の好返球よりわずかに早く生還した。チームは4―6で競り負け、連勝は3で止まったが、東西の名門対決の最終戦で存在感を放った。 【写真】スミスの犠飛で三塁からタッチアップするドジャース・大谷 迷わずスタートを切った。3-5の八回1死三塁。三走の大谷は、4番スミスが打ち上げた右翼定位置の飛球でホームを狙った。強肩のジャッジが球速93・4マイル(約150・3キロ)のワンバウンドで好返球したが、大谷は時速32・3キロの快足を飛ばしてわずかに早く生還。ジャッジが勝負の場面を振り返った。 「彼はすごく速かったよ。打球が上がった瞬間に走ると確信していた。95、96マイル(約153-155キロ)で投げられたら良かったんだけどね。彼はスピードスターで素晴らしいアスリートだ」 昨季まで大谷はヤンキースと同じア・リーグのエンゼルスに6シーズン在籍。MVP(最優秀選手)は21、23年に大谷、22年はジャッジが獲得するなどリーグを代表するライバル関係だった。大谷は試合後に取材対応しなかったが、ジャッジは「打者としてどの方向にも飛ばすし、投手としても素晴らしい。そして、あの場面で足で魅せる。彼がベストプレーヤーだよ」と敬意を表した。 大谷は直前の打席では内角の直球に差し込まれながら、右寄りの守備シフトで大きく空いた三塁線に運んで二塁打に。塁上では両手を振って手がしびれたというジェスチャーを見せた。5月16日のレッズ戦で牽制(けんせい)球を受け、左太もも裏に打撲を負ったが、不安を完全に払拭する激走だった。 大リーグを代表する東西の名門対決のシーズン最終戦。ワールドシリーズの前哨戦として全米から注目された。日曜日は通常はデーゲームだが、スポーツ専門局ESPNが全米中継するためナイターで開催。ヤンキースタジアムではジャッジと大谷のコラボ商品が販売され、Tシャツなどは第1戦の試合開始1時間前には完売した。 ジャッジは八回に両リーグ単独トップの24号ソロを放つなど、3連戦は11打数で3本塁打を含む7安打5打点。一方、大谷は13打数2安打1打点と〝個人戦〟では完敗し、球団史上初のヤンキース戦3連勝を逃した。2勝1敗に「両チームが最高のパフォーマンスを発揮した。運よく勝ち越すことができた」とロバーツ監督。再戦があるとすればワールドシリーズだ。