黒木瞳が苦労した映画『東京タワー』での役づくり
黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(12月28日放送)にニッポン放送アナウンサーの飯田浩司が出演。アナウンサーの仕事について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。12月26日(火)~12月29日(金)のゲストはニッポン放送アナウンサーの飯田浩司。3日目は、黒木瞳の役づくりについて― 飯田)黒木さんは数え切れないくらいの役を演じていらっしゃいますが、これまでで苦労した役は何ですか? 黒木)すべてに産みの苦しみはあります。「フッ」と思い浮かぶのはいくつかありますが、江國香織さん原作の映画『東京タワー』のとき、どうしても役の女性になれなかったことがありました。1日の撮影が終わって家に戻り、もう1回、反省するのですよ。きょう撮った台詞を言ったりするのです。 飯田)もう終わっているのに。 黒木)明日のセリフを言ってみても、どうも自分のなかでしっくりこない。「どうしようかな」と思って、深夜だったのですがお酒を飲み出したのです。「こう言ってみよう、ああ言ってみよう」といろいろ試行錯誤したとき、ふと、「あ、風だ」と感じたのです。 飯田)感情が「サアッ」と抜けていくような。そういうことは、何がきっかけになるか……。 黒木)わからないですね。あと、『黒い十人の黒木瞳』というシリーズを3回やりましたが、1本で10人の違う黒木瞳が出てくるのですよ。トータルで30人の違う黒木瞳を演じました。そのときは、ミュージカルのように髪型も衣装も全部変えたのですね。声の出し方も演劇のマニュアルなのですが、高い声で言ったり、低い声で言ったり、ゆっくり言ったり、速く言ったりする。そういうものを取り入れて人物を変えていくのです。 飯田)9月にWOWOWで湊かなえさん原作の連続ドラマ『落日』がありましたが、原作の小説を読んで、そこからという感じなのですか? 黒木)小説は出た時点で読んでいたのですが、『落日』をドラマ化したいという話をプロデューサーから伺ったので、本棚から取り出してもう1度読み、脚本も読みました。次は、監督にその人のイメージがどんなものかを伺います。あとは監督が「こういう役割で出てください」というようなことをおっしゃるのです。作品におけるポジショニングですね。それらを伺っているうちに、徐々に出来上がっていく。あとは監督のジャッジです。監督が「OK」とおっしゃれば、それでOKです。