Z世代向けスキンケアブランドの バブル 、初のアイクリーム発売:コミュニティ会員の声を反映
この記事は、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です。 Z世代に特化したスキンケアブランド、バブル(Bubble)が新しいアイクリームを発売した。これはバブルが創設された時の「ロードマップになかった」ものだと、CEOのシャイ・アイゼンマン氏は米モダンリテールに語った。 「『とても若い人たちにアイクリームは必要ない』と考えていた。これは、スキンケアルーティンにおける必須のステップではない」と同氏は述べる。しかし、バブルのファンがアイクリームが欲しいと「何度も何度も」訴えてきたため、その開発に動きだした。商品の開発には20カ月を要し、11月初旬、バブルのウェブサイトで16ドル(約2400円)で発売された。 モーニングレイ(Morning Rays)と名付けられたこのクリームは、バブルが2020年末に創設されてから18番目に発売した商品だ。モイスチャークリーム、マスク、日焼け止めなども販売する同ブランドは、その間に北米全体でアルタビューティー(Ulta Beauty)、CVS、ウォルマート(Walmart)など1万2000以上の店舗で販売されるようになった。今夏の時点でバブルのオンライン売上高は前年比で1000%も増加した。バブルがアイクリームを発売したことは、商品開発への取り組み方を示している。すなわち、コミュニティメンバーからフィードバックを受け、それに応じて、特定の肌状態への対処に特化した商品を発売するという姿勢だ。
顧客の声を商品に反映させる
バブルのビジネスの鍵であり、モーニングレイの原動力になったのは、同ブランドの1万2000人のアンバサダープログラムだ。バブルはディスコード(Discord)やジェネバ(Geneva)といったメッセージングアプリに加えて、ブランドアンバサダー管理アプリのソーシャルラダー(SocialLadder)を使ってコミュニティメンバーとコミュニケーションをとり、商品名からパッケージングまで、あらゆることについてフィードバックを収集している。バブルのファンは、アイクリームがほしい、特にむくみ取りやくまを減らすためのものが欲しいと何度も言ってきた。 アイクリームは、多くのスキンケアブランドの定番商品だが、30代、40代、またはそれ以上の層を対象として、これまで長いあいだ、アンチエイジングやリペアを売りに販売されていた。しかし今は、Z世代がこの商品により関心を持つようになり、この層を対象にしているブランドもその声に応えはじめている。Z世代に向けたマーケティングを行っているサステナブルなスキンケアブランド、キンシップ(Kinship)は、2021年にアイクリームの販売を開始した。グロシエ(Glossier)は、2年しないうちに突然販売を打ち切ったものの、バブルラップ(Bubblewrap)という名前のアイモイスチャークリームを2019年に発表した。#eyecreamというハッシュタグはTikTokで11億回も再生され、#eyecreamrecommendations(おすすめのアイクリーム)も66万4200回の再生を集めた。 バブルは、モーニングレイを、夜更かしをする大学生にぴったりなアイテムだと位置づけている。バブルはTikTokの動画で、モーニングレイが「たとえ徹夜したとしても」目元をくっきりさせると説明している。オンライン上の商品ページでは、「もはや身体の80%以上がカフェイン? おそらく。目の下が太陽より輝いている? もちろん!」と問いかけている。また、市場にあるほかのアイクリームの多くは小売価格が40ドル(約5960円)から60ドル(約8940円)であるのに対して、バブルのモーニングレイはより安価で、学生の予算に合致している。 ほかのアイクリームと違って、モーニングレイはアンチエイジングのような要素には触れていない。その代わり、アイゼンマン氏が言うように、くまや「特定の悩み」に焦点を当てている。バブルの商品はこのようにパーパスドリブンであると同氏は説明する。「多くの人が苦しんでいる具体的な悩みに対して本当に役立つものを取り入れることに強い熱意がある」。