大学時代から驚きの成長曲線 来季はタイトル狙える「阪神の強打者」は
後半戦の阪神で最も怖い打者
岡田監督が指揮を振るった2年間で常勝軍団の礎を築き、多くの選手が素質を開花させた。その筆頭格が森下翔太だろう。プロ2年目の今季は129試合出場し、打率.275、16本塁打、73打点をマーク。打撃不振で7月上旬にファームで再調整したが、一軍に再昇格すると広角に鋭い打球を打ち分け、打率2割2分台から一気に上昇した。得点圏打率.351と勝負強さも際立つ。CSファーストステージは2試合で8打数5安打、打率.625、1本塁打、2打点と奮闘。第2戦の初回二死でアンドレ・ジャクソンの内角低め153キロの直球を弾丸ライナーで左翼席に運ぶと、球場がどよめいた。 他球団のスコアラーは「後半戦の阪神で最も怖い打者が森下でした。コンタクト率が格段に上がり、どの球も長打を打たれる怖さを感じた。大学のときはパンチ力が魅力でしたけど粗さがあったのでプロで対応するのに時間が掛かるかなと感じましたが、驚きの成長曲線です。来季は打撃タイトルも十分に狙える。対策が必要ですね」と警戒を強める。 まだ戦いは終わらない。11月に開催される国際大会「プレミア12」で侍ジャパンのメンバーに選出されている。昨年のWBCで世界一を経験した岡本和真(巨人)、中大の先輩でもある牧秀悟(DeNA)と共に日の丸のユニフォームを着て、ドミニカ共和国、キューバなど世界の強豪国と対戦することは大きな財産になるだろう。阪神の強打者から、球界を代表する強打者へ。新人の時から我慢強く起用してくれた岡田監督に恩返しするためにも、さらなる飛躍が期待される。 写真=BBM
週刊ベースボール