60歳代・70歳代の「平均貯蓄額」と「中央値」はいくら?年齢階級別「就業者数・就業率」の推移
根強くつづいている、物価高騰の波。現役世代の中には、漠然と「老後生活が不安」という考えをお持ちの方もいるのではないでしょうか。 ◆【写真3枚】60歳代・70歳代の平均貯蓄額と中央値(単身・夫婦)。2枚目以降では、高齢者世帯1世帯あたり「平均所得金額」年次推移などを掲載。 年金制度が破綻するリスクは限りなくゼロに近いとはいえ、少子高齢化に伴って年金給付額が先細る可能性が十分に考えられます。 60歳代・70歳代の方の平均貯蓄額や中央値を知ると、老後生活のイメージが持てるかもしれません。 今回は、60歳代・70歳代の貯蓄状況や就業状況などを解説します。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
貯蓄額の平均値と中央値には大きな差がある
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、60歳代・70歳代の貯蓄の平均値と中央値は以下のとおりです。 ●60歳代(単身世帯)貯蓄額 ・平均:1468万円 ・中央値:210万円 ●60歳代(二人以上世帯)貯蓄額 ・平均:2026万円 ・中央値:700万円 ●70歳代(単身世帯)貯蓄額 ・平均:1529万円 ・中央値:500万円 ●70歳代(二人以上世帯)貯蓄額 ・平均:1757万円 ・中央値:700万円 平均値は極端な数字の影響を受けやすい特性上、中央値のほうが実態に近いとされます。 60歳代・70歳代の方は、200万円~700万円程度の貯蓄を有しているのが一般的な水準といえるでしょう。 次の章では、高齢者世帯の平均所得額をチェックしていきます。
高齢者世帯の平均所得額はいくら?
厚生労働省「2023(令和5)年国民生活基礎調査の概況」によると、2022(令和4)年1月1日から12月31日までの1年間の、高齢者世帯の平均所得額は304万9000円でした。 ●高齢者世帯の1世帯あたり「平均所得金額」年次推移 ・1985(昭和60)年:210万6000円 ・1998(平成10)年:335万5000円 ・2022(令和4)年:304万9000円 また、厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、年金の平均受給額は以下のとおりです。 ・国民年金のみを受け取る平均年金月額:5万6316円 ・厚生年金の平均年金月額(併給する老齢基礎年金の額を含める):14万3973円 高齢者世帯の平均所得と年金額には差があるため、年金だけでなく就労して給与所得を得ている高齢者世帯が多いと推測できるでしょう。 ゆとりのある老後生活を送るために、「65歳以上も働く」という選択は有用です。 実際に、65歳以降に就労する方の割合は増加傾向です。次章で詳しくみていきましょう。