「R」が20周年ならゴルフは50周年……そのスポーティグレードはやっぱりGTI!フォルクスワーゲンゴルフGTIの走りを再検証!! ゴルフRとの違いは?
タイヤの違いで印象が大きく変わった
しかし今回の試乗車は、こうした過去の印象が、いとも簡単に拭い去られしまった。答えは同じく簡単で、その足下にはよりしなやかなタイヤがチョイスされていたからだ。 もしかしたら欧州メーカーの常として、ダンパーやブッシュのコンプライアンスも同じくバランスされたのかもしれない。とはいえ標準仕様のゴルフでも、タイヤを変えただけでその乗り味が断然良くなった経験を踏まえると、最も大きな要因はタイヤだと思う。さらに言えばフォルクスワーゲンが燃費性能を捨てるわけはないから、試乗車のタイヤが低燃費性能を確保しつつも、乗り心地をも確保していたということになる。 つまりフォルクスワーゲンは、第8世代のデビューで気合いを入れすぎてしまったのだろう。これもひとつの、ティピカルなドイツ気質だと言える。 こうして第8世代のゴルフGTIは、かつてのクオリティをサラリと取り戻した。2.0Lにして245ps/370Nmを発生する直列4気筒ターボはシビック タイプRやルノー・メガーヌR.S.の300psに比べれば数字的には見劣りするが、300ps以上の高出力は「R」が受け持つ領域だから問題ではない。むしろ素晴らしいのは、GTIがそのパワーをリアルに使い切れることだ。 急激なデジタル化や先進安全装備にコストを奪われインテリアの質感は10.5インチのモニターや小さなシフトノブ(というよりスイッチ)以外大きく向上しなかった。 また操舵時に手の平が押してしまうスポークのスイッチやエアコンの調整パネルは極めて扱いにくいが、その乗り味が良くなるだけでこうしたデジタル化への挑戦をも、前向きに受け入れられるようになってくる。 やはりクルマは、走らせてこそなのだ。 ゴルフGTI ・Specification ボディサイズ:全長4295mm×全幅1790mm×全高1465mm ホイールベース:2620mm 車両重量:1430kg エンジン:1984cc 水冷直列4気筒DOHC16バルブ・インタークーラーターボ 最高出力:245ps(180kW)/5000rpm-6500rpm 最大トルク:37.7kgm(370Nm)/1600rpm-4300rpm 燃料:ハイオク51L トランスミッション:7速DSG サスペンション:Fマクファーソンストラット/R4リンク ブレーキ:F/Rベンチレーテッドディスク タイヤ・ホイール:225/40R18(オプション:235/35R19) 価格:525万円
2024年末に導入か? どうなるゴルフ8.5!
そんなゴルフは、もうすぐ8.5世代へと突入する。 GTIはどうやら265PSへと高出力化が図られるようだが、先代モデル「TCR」が290PSを発揮していたことを考えれば、想定内。それよりもユーザーインターフェースをもっと使いやすくしながら、さらにこの乗り味を高めてくれることを願っている。
山田弘樹
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