横浜でぜひ食べたい絶品「江戸前鮨」と「中華街」のお宝ワンタン
当サイトの人気連載「山本益博のラーメン革命!」でおなじみ、日本初の料理評論家、山本益博さんが、今回は番外編として横浜のグルメについてご紹介します。 山本益博のラーメン革命!
当サイトの人気連載「山本益博のラーメン革命!」でおなじみ、日本初の料理評論家、山本益博さんが、今回は番外編として横浜のグルメをご案内。江戸前寿司の名店と知る人ぞ知るワンタンをご紹介します。
2カ月に一度は通う、横浜の「江戸前寿司」の名店
食いしん坊にとって「横浜」といえばまず第一に挙がるのは「中華街」だろうが、私にとってはこの30年来、中華街から近く、ベイスターズ通りの太田町にある「鮨はま田」である。 この店、当初は「すきやばし次郎よこはま店」だった。東京・銀座の「すきやばし次郎」出身の鮨職人水谷八郎さんがカウンターで鮨を握っていた。その水谷さんが銀座に店を出すことになり、その後を受け継いだのが、東京「青木」出身の浜田剛さんだった。そして後年、水谷さんは「ミシュラン東京」で3つ星に輝く鮨職人となったことは記憶に新しい。 浜田さんは、実に研究熱心で、「江戸前鮨」の本や雑誌を読み漁り、往年の「江戸前鮨」の鮨職人に最大の敬意を払いつつ、現代の「江戸前」を精魂込めて表現している。「江戸前鮨」の基本中の基本である「酢飯」は、私の見るところ、今、間違いなく日本一と呼んでいい美味さで、これをいただきたいために、2カ月に一度、東京からわざわざ横浜まで通っているほどである。
まるで竜宮城へでも誘われたような中華街のお宝ワンタン
というわけで、中華街は私の視界から外れてしまっていたのだが、一昨年、昼に神奈川県立音楽堂で開かれた「よこはま落語会」へ出かけた時、落語会のあとの食事に困った。「はま田」は夜しかやっていない。その時ふと中華街の「清風楼」を思い出したのである。 今、横浜中華街は、連日大賑わいだが、50年ほど前は、土曜日、日曜日ともなると中華街のメインストリートは人が大勢行きかっていたが、横筋の露地までは、勝手知ったる客しか足を伸ばさなかった。 メインストリートでは「同發」が最も有名だったが、料理も値段もハイクラスで私は店を訪れたことはいまだない。それよりはずっとずっと大衆的で安価な、それでいて上質な料理を食べさせてくれる、露地にある「海員閣」や「安記」で食べた。 いつだったか、浅草「三社祭」の神輿の早朝宮出しを観た後、車に乗り、上野から横浜まで高速道路を走り、中華街の「安記」で早朝からやっていた「粥」を食べに出かけたこともある。 今や、横筋のどこの露地にも観光客が溢れている。人気がほとんどなかったメインストリートと並行する通りも行列の出来ている店が、あちこちにある。