「時々、人力で波を起こします」 造波装置が故障した水族館の貼り紙が話題に 実は2年前から続いてました
「時々スタッフが人力で波を起こします」。造波装置が故障した水槽に貼ってあるそんな貼り紙がSNS上で注目を集めています。富山県にある魚津水族館を取材しました。
魚津水族館
北陸本線の全線開通を記念して1913年に開館し、100年以上の歴史がある魚津水族館。 1981年から使われている現在の建物は3代目で、富山県や富山湾の水生生物を中心に展しています。 「波の水槽」では、マアジ、クロダイ、キジハタなど魚津沿岸で獲れる魚を飼育。 10分ごとに波が起こり、波の中で魚たちがどんな風に動くのかを観察できる水槽です。 そんな水槽に現在、こんな貼り紙がしてあるようです。 「40年間、波を起こし続けてきた造波装置がついに寿命を迎え故障しました……当面の間、波が起きませんがご了承ください」「時々スタッフが人力で波を起こします」 エイプリルフールの4月1日に、この貼り紙がSNS上で話題に。 「腕が筋肉痛になりそう」「担当者は『なみこしさん』って人でしょ?」といったコメントが寄せられました。
学芸員に聞きました
「実は故障したのは2年ほど前で、この手作りパネルも長いこと貼ってあるんです」 そう話すのは、教育普及担当の学芸員・不破光大さんです。 同じように戻すには数百万円がかかる見通しとのこと。 ただ原状に戻すより、お客さんがボタンを押したら波が起こるようにするなど、新しいものに作り替えた方が良いのではないか? そんな話も出て、決まらないままに今に至るそうです。 「人力で波を起こすのは不定期で、パネルを見てる方がいた時に『やりましょうか?』と声をかけて実施する程度です」 設置して2年ほど経って話題になったことについては、こう話します。 「かつては図鑑の知識を引き写したパネルが多かったのですが、最近はこうした手作りのものを増やしています。そこに注目してもらえたことがうれしいですね」