【卓球】卓球界で定着しつつあるP4match。人手不足で「ブラック」になっている大会運営を変えるのか
高齢化と人手不足が大会運営を圧迫する中、P4matchは参加者自身が大会を進行する
大規模な全国大会から町のオープン大会まで、日本全国で多種多様な大会が行われている卓球。やはり「試合で勝ちたい」というのが、選手にとっては日々の練習のモチベーション。勝ちたいからこそ用具にこだわり、お金を払ってコーチにも教わるようになり、卓球界を活性化させる。 しかし今、大会を主管・運営する各自治体の卓球協会・連盟は、高齢化や人手不足という問題を抱えている。日本卓球協会が主催する全国大会でも、主管協会の負担を減らすために出場者数を減らす動きがあるが、それは市や区の卓球協会でも同じこと。少ない人数で大会の受付や進行をこなし、トイレに行く暇もない「ブラック」な状況で大会を続けているケースも多い。 その卓球界で今、少しずつ定着しつつある大会運営システムが「P4match(ピーフォーマッチ)」。アカウント登録者数は22,000人を超え、年会で約2,000大会が行われているという。 「P4match」はアカウントを作成すれば、オンラインですぐに大会の申込みやキャンセルを行うことができ、ポイントをチャージすることで参加費を支払う。未だに受付で、参加費を現金で支払う大会も多いが、運営側は現金の管理に神経をすり減らすこともなくなる。大会の受付、進行の確認、審判としてのスコアの記入もすべて大会ページ上で参加者が行うことで、運営側の負担は大きく減る。 大会では試合の組み合わせを作るのも、運営側にとっては大きな負担だが、P4matchでは過去の大会の成績に応じて、参加者のレベルを示す「レーティング」システムによって組み合わせを自動で作成し、常に近いレベルの選手との試合が組まれる。P4matchのリーグ戦なら近いレベルの選手と4試合、5試合戦うことができ、全敗で終わることも少ない。 余計な待ち時間がないので、1日で2大会、3大会を「ハシゴ」する猛者もいるというP4match。運営側の人手不足を救い、参加者には「濃い」試合体験を提供することで、さらなる広がりを見せていくのか注目したい。