三日月大造・滋賀県知事に聞く「人口減少肯定的に受け入れたい」(全文2)
──なるほど。海外の方へのアプローチとしては、まず例えば、観光で来てもらったりとかっていうのは、今、知事がイメージされる。 大きいですね。まず観光だと思います、そういう意味では。 ──京都に今、泊まっている方たちというか。そういう方に滋賀にも目を向けてもらったりっていう。 京都から10分で琵琶湖が見られますっていうことをPR訴求をして。京都もいいけれども、京都にないものが滋賀にはありますと。もしくは、こういう言い方をしたらあれですけれども、水も木々も自然も京都の源流は滋賀にありますということとか。最近、僕も各国でPRする時になかなか受けがいいなと思って、磨きたいなと思っているんですけれども。日本の中の日本が実は滋賀にある。日本の真ん中は滋賀だっていう言い方をして、世界の人たちにPRをすることがあるんですけれども、そういうものを打ち出しながら。 あと、滋賀ならではなんですけれども、お住まいになっていたらご存じだと思うんですけれども、なるべく水をきれいにして流そうとか、周りの人たちのことを考えて居住まいをただそうとか、周りの人間だけじゃなくて生き物のことを考えて山の手入れをしようとか。獣害対策の時なんかに、僕はてっきり、撃て、殺せ、食べろって言われるのかなって思ったら、違って。知事さん、これだけ獣が出てくるっていうことは、獣が山に住めなくなっているんだ、だから山をもっと獣たちが住める状態に戻してやろうよっていう提言をする人がいるんですよね。 僕はそれを聞いて、深く感じ入ったんですけれども、そういう生き方って実はこれからの世界の、例えば、これから伸びゆくアジアのモデルになると僕は思っているんです。今だけよければいいんじゃない。経済的に豊かになればいいんじゃないと。やっぱり、そうやって水をきれいに保ったり、周りの人たちのことを考えたり、山のことを考えて自然と共生して暮らすっていうことが、実はこれからの生き方なんだということを、ぜひ、世界の人たちに発信をして、単に観光で物見遊山で来るだけじゃない、そういうメッセージを届けられたらいいなと思っているんですよね。