三日月大造・滋賀県知事に聞く「人口減少肯定的に受け入れたい」(全文2)
──2060年に129万人になった時の人口推計のピラミッドが真四角。全世代同じような数にするのは難しいのでは。 難しいですね。難しいと思います。 ──難しいとは思っている。 簡単なことじゃないと思っています。この取り組みをしたからといって、じゃ、すぐに子供の数が増えるかっていうと、元々、子供を持てる、産める世代の人口そのものが減ってくるわけですから、容易ではないと思います。 ただ、いろいろ聞いていると、今、子供のいらっしゃらない、今、1人の子供さんを持っていらっしゃる世帯でも、例えば経済条件が整えば、いろんな社会的な支援が整えば、2人目が欲しい、3人いたらいいねと思う人たち。そういう希望はあるので、そういう希望をできるだけ諦めずにかなえてもらえるような、そういう応援は僕たちもしていきたいし。何をやればその希望の実現につながるんだろうかって、皆考えていますよね。私たち、例えば、引退した世代が、リタイアした世代がもっと応援できることがあるんじゃないかとか。 企業もただ物を作るだけじゃなくて、儲けるだけじゃなくて、企業内保育所っていうものを作って、それを地域に開けば地域のためになるんじゃないかとか。働き方改革をすれば、これは実は私たち自身の生活も豊かになるんだけれども、実はそのことがひいては生産性を上げて、女性も男性も働きやすくなるって人材不足って言われているけれども、それを補っていくことにもつながるんじゃないかとか。僕はそういう意味でいい好循環が生まれつつあるので。 ──知事になって2年くらい経って、施策をやってみて、好循環は生まれているか。 あると思っていますね。もちろん、国全体で地方創生、滋賀創生という取り組みがあって。じゃあどうしたらいいかなって皆で考えて。どういう滋賀県を目指したいか、そのためにどういう施策をやればいいかっていうことを皆で考えて。プロジェクトを作って動かし始めた。で、動かし始めたら、やっぱりそれを実現するためのいろんな取り組みを積み重ねていくので、そのことによるいい流れっていうのは、僕は起きつつあると思っています。 ──人口減少の流れは不可避だとは思いながらも、できることをやっていくっていうことに意味があるということか。 僕はそう思っています。