中国、財政政策で景気下支えへ 財政次官が表明 年間成長目標達成に「自信」
【北京=三塚聖平】中国財政省の廖岷(りょう・みん)次官は25日、ワシントンで開かれた世界銀行の会合で、中国政府が財政政策を強化して景気を下支えする方針を表明した。中国財政省が27日発表した。廖氏は、財政出動により投資のテコ入れや消費の刺激を進めることなどにより、今年の経済成長率目標「5%前後」の達成に「自信がある」と訴えた。 【グラフでみる】中国で続く外貨難、共産党が支配する米ドル本位の金融システムが行き詰まり 廖氏は「引き続き世界経済の成長に動力を注入する」と強調した。中国政府は特別国債の追加発行に踏み切る見通し。11月4~8日に北京で開かれる全国人民代表大会(全人代)常務委員会の会議で審議して発行規模を明らかにすると市場関係者はみている。米ブルームバーグ通信によると、廖氏は同会議の終了後に財政政策の詳細が公表される見通しだと表明した。 中国経済を巡っては、不動産市場の長期悪化が景気の足かせとなっている。2024年7~9月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比4・6%増で、このままでは経済成長率目標の達成を危ぶむ見方が強まっている。中国共産党・政府は9月下旬以降、大規模な金融緩和のほか、不動産市場の支援策を打ち出すなど景気対策を重視する姿勢に転じている。中国国務院(政府)は今月25日、李強首相が主宰する常務会議を開き、「包括的追加政策」の実行に持続的に力を入れるよう指示した。