カーボン製ボディにフォードの5.0L V8 ACコブラが現代技術で復活! 663psの試作車へ試乗
望ましい運転姿勢 マッスルカーらしい雰囲気
さて、身体へフィットするシートに腰を下ろすと、望ましい運転姿勢へ落ち着ける。ただし、ステアリングホイールは少しカタチが凝りすぎているかも。流用されたスイッチは自然にダッシュボードへ溶け込んでいるが、肘がドアに当たるのが惜しい。 やや重めのペダルが、フロアから立ち上がる。ワイドなセンターコンソールの中央には、6速MTから直接伸びる、滑らかで正確に倒せるシフトレバー。マッスルカーらしい雰囲気を醸し出す。 V8エンジンは、盛大にノイズを撒き散らしながら始動。アイドリング時からたくましい響きだが、不快に思えるほど賑やかではない。 今回のプロトタイプは最高出力を僅かに絞った設定だったが、ドライブトレインは既にだいぶ仕上がっている印象。トラクションコントロールとABSが備わらず、アスファルトが軽く湿っていたから、0-100km/h加速3.4秒を確かめることはしなかった。 もっともコブラ GTロードスターの場合、そんな動力性能の数字より、ドライバーをどう共感させるかの方が重要だろう。果たして、パワフルでシンプルなスポーツカーとして、運転は抜群に面白い。
乗り心地と姿勢制御の理想的な譲歩
乗り心地と姿勢制御との譲歩は、理想的といっていい。シャシーバランスに優れ、レスポンシブでエネルギッシュ。車重は1400kgが主張され、前後の重量配分は50:50とのこと。それには、まったく疑問が湧かない。 ステアリングは適度に軽い。ただし、パワーアシストの調整が未完了で、高速域からのブレーキング時などは少し神経質に感じられた。それ以外の運転体験は、極めて魅力的なものだった。 英国価格は、自然吸気仕様で28万8000ポンド(約5530万円)から。スーパーチャージャーを載せると、2万4000ポンド(約461万円)増しになる。これほどの予算を準備できる人のために、ボディ塗装やインテリア素材の選択肢は多岐に及ぶようだ。 量産仕様に向けて、クーペも開発中とのこと。価格は更に上昇するらしいが、ロードスターを真剣に検討できる富裕層なら、大きな問題になる変化ではないはずだ。
ACコブラ GTロードスター(欧州仕様)のスペック
英国価格:31万2000ポンド(約5990万円) 全長:4230mm 全幅:1980mm 全高:-mm 最高速度:278km/h 0-97km/h加速:3.4秒 燃費:-km/L CO2排出量:- 車両重量:1400kg パワートレイン:V型8気筒5038cc スーパーチャージャー 使用燃料:ガソリン 最高出力:663ps 最大トルク:79.3kg-m ギアボックス:6速マニュアル(後輪駆動)
執筆 AUTOCAR JAPAN編集部