多世代の語り部 災害を語り継ぐ 震災30年を前にシンポジウム/兵庫県
2025年1月17日で阪神淡路大震災から30年を迎えるのを前に、12月7日と8日、全国から集まった災害の語り部が交流するシンポジウムが開かれました。
今回で10回目となるシンポジウムは、近い将来南海トラフ巨大地震などが起こるとされる中、阪神淡路大震災などの教訓を多くの世代で語り継ぎ、今後の防災に生かそうと2日間にわたって行われました。
初日の12月7日、全国の語り部たちが兵庫県淡路市に集まり、阪神淡路大震災を引き起こしたとされる野島断層や震災後に区画整理が行われた富島地区を巡りました。 2日目の12月8日、神戸市で行われたシンポジウムには、およそ200人が集まり、語り部活動を行う全国各地の団体が阪神淡路や他の災害、多言語での情報発信などについて意見を交わしました。 若い語り部たちが集まった「未来セッション」では、災害を経験していない人たちが語る価値や葛藤などについて意見を交わしました。 埼玉県出身の辻元惇さん。 宮城県南三陸町でボランティアをした後、語り部バス事業に取り組むホテル観洋に就職し、観光客に東日本大震災を伝えています。 神戸で育ったペルーの日系4世のジェラルド・大城・セグラさん。 阪神淡路大震災の避難所で日本語が分からず苦労し、現在は神戸市長田区のインターネットーラジオFMわぃわぃでスペイン語で情報発信を続けている母親から震災を学びました。 ジェラルドさんは、2023年からペルーでの防災教育や訓練にも取り組んでいます。 関西学院大学4年の橋口桃子さん。 「第三者の語り継ぎ」をテーマに卒業論文を執筆中です。 神戸市灘区を拠点にあすパ・ユース震災語り部隊として活動する灘高校2年の吉岡陸太さん。 群馬県出身で東北大学の学生小磯日真梨さん。 東日本大震災の津波で児童74人と教職員10人が犠牲となった宮城県石巻市の大川小学校の震災遺構で語り部をしています。 災害を経験した人、していない人。 集まった人たちが共に抱くのは、語り継ぎ、未来に伝えていくという思いです。 次回の第11回全国被災地語り部シンポジウムは2026年3月に宮城県南三陸町で行われる予定です。