秩父夜祭、鎌倉の大仏、阿波おどり…全国にちなんだパッケージ 「観光たばこ」紹介 坂戸の城西大学水田美術館 362点展示 来月11日まで
日本各地の観光スポットなどがデザインされた「観光たばこ」を紹介する展示会「収蔵品紹介 パッケージ小噺 壱ノ巻:観光たばこにみる懐かしの日本」が、埼玉県坂戸市けやき台1丁目の城西大学水田美術館で開かれている。1970~80年代に製造されたパッケージ362点を展示。美術館は「懐かしさに思いをはせてほしい」としている。 鎌倉の大仏や徳島の阿波おどりのパッケージ【写真3枚】
日本では「マイルドセブン」や「チェリー」「ピース」といった銘柄のたばこに、写真やイラストなどの特別なデザインを施す記念たばこや観光たばこが販売されてきた。 記念たばこは国や地方の行事などにちなんで作られたパッケージで、15年の大正天皇の即位記念から始まった。一方、観光たばこは全国の観光地やお祭りが、期間限定でパッケージにあしらわれた。いずれも93年度に終了したが、コレクションのアイテムとして人気を博してきた。 今回の展示では47都道府県にまつわる観光たばこを紹介。埼玉からは毎年12月に開かれる秩父夜祭(秩父市)や10月の川越まつり(川越市)、高麗神社(日高市)などのパッケージが並んだ。埼玉県外では鎌倉の大仏(神奈川)、阿波おどり(徳島)などが展示されている。 観光たばこについて美術館は「ドラマの舞台となった場所などをイラストや写真にしてパッケージの柄にすることで、観光地化を目指す意図などが読み取れる。地震など自然災害で変わってしまった場所の姿を、パッケージを通じ見ることもできる」としている。
会期は10月11日まで。28日にはパッケージの寄贈者で元城西大職員の加藤寛之さんを講師に、講演会やギャラリートークが行われる。 また同時開催として、幕末期に二代歌川国貞や二代歌川広重によって描かれた「観音霊験記」のうち、「秩父順礼」の中の29点を展示した「浮世絵で巡る秩父札所―《観音霊験記 秩父順礼》」も開かれている。 問い合わせは、同美術館(電話049・271・7327)へ。