【ビルボード 2024年 年間TikTok Chart】Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」がトップ、“かわいい”がキーワードの令和アイドルが躍進
2024年の年間Billboard JAPAN “TikTok Songs Chart”で、Creepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」が1位に輝いた。 本チャートはTikTok上における楽曲人気を示したものだ。上半期に続いて年間でもトップに立った「Bling-Bang-Bang-Born」は、TVアニメ『マッシュル-MASHLE- 神覚者候補選抜試験編』のオープニング・テーマで、主人公のマッシュルが踊る「BBBBダンス」チャレンジが国内外でミーム化した。1月17日公開チャート(集計期間:2024年1月8日~1月14日)で5位に初登場し、1月31日公開分から9週連続でトップ、集計期間内に計10回もの首位に輝いた。両腕と腰を左右にひねる代表的なダンスを、一般ユーザーのみならず、NiziUやRIIZE、&TEAM、千葉雄大、INI、TOMORROW X TOGETHER、FANTASTICS from EXILE TRIBE、チョコレートプラネットら多くの著名人も挑戦。学生集団で踊るginjiroのシリーズやBasement Gang、REAL AKIBA BOYZといったダンスグループの投稿もたくさんの視聴数を獲得し、現在までに380万件以上の楽曲使用が確認されている。アニメのキャラクターを使用した投稿もあり、ユーザーとの親和性の高さも相まって、年間首位の座についた。 続く2位のShinonome「Athletic Meet "Heaven and Hell"」は運動会の曲としても知られる「天国と地獄」をもとにした曲で、TikTokではおなじみの定番曲。躍動感あふれるリズムから、バラエティからフード系などジャンルを問わない投稿に多く使用された。 3位のKOMOREBI「Giri Giri」も今年TikTokで非常によく耳に・目にした一曲だ。MATHEUS、SAM、MAXI、YUTA、DJ OTAからなる5人組ヒップホップ・ユニットが5月17日にリリースした本曲は、ピンチな状況でも踊ればハッピーというニュアンスの「#ギリハピダンス」が注目を集め、6月のチャートイン後、計7回もNo.1に輝いた。森三中の大島美幸とガンバレルーヤの音楽ユニット“MyM”とコラボした動画は1,554万回以上再生されており、ILLITやBE:FIRST、ENHYPEN、こっちのけんと、RIIZEといった人気アーティストとのコラボも相次いだ。現在までに約15万件以上が投稿されている。 『紅白歌合戦』の初出場が決まっているK-POPガールグループ、ILLITの「Magnetic」(4位)は、軽いポップサウンドと両手を使った特徴的なダンスがユーザーの関心を集めた。3月以降、本人たちのダンス動画がたくさん投稿、ダンスの解説動画も多く投稿・視聴され、5週連続首位を記録した。同じく紅白初出場が決まっている、こっちのけんとの大ブレイク曲「はいよろこんで」は、6月19日に14位に初登場、翌週に8位にジャンプアップ後、集計最終週までトップ10内を維持。意外にも週間1位に輝くことはなかったが、最高位2位を記録して、年間9位についた。両曲ともストリーミング再生やYouTube再生回数が高く、前者はストリーミング2億回、後者は1億回を突破と、今年を代表するヒット曲だ。 そのほか、BMSG所属のラッパー・edhiii boiが昨年11月にリリースした「おともだち」(5位)や<正面で見ても横から見ても下から見てもいい女で困っちゃう>のパートが有名な乃紫「全方向美少女」(6位)は、上半期トップ10に続いて年間でも上位に入った。 今年もTikTok上ではダンスが特徴的な楽曲が上位に集まったが、難易度が高いものより、簡単に真似できて、あまり全身を使わない振付が多くなっている傾向にある。また、「かわいいだけじゃだめですか?」が8位に入ったCUTIE STREETや、「最上級にかわいいの!」が注目を集めた超ときめき▽宣伝部(▽=ハートマーク)、「わたしの一番かわいいところ」や「NEW KAWAII」が人気を博したFRUITS ZIPPER、きゅるりんってしてみてなど、“かわいい”を全面に押し出した新人アイドルグループの存在も今年のTikTokを語る上では欠かせない。自己肯定感は若年層やTikTokユーザーの多くを占めるとされる30代が非常に注目する永遠のテーマであり、フリルやリボン、カラフルな衣装に身を包む女性アイドルには女性からの高い支持が集まっているのも確か。「全方向美少女」しかり、最高な自分を自分なりに発信するプラットフォームから、従来のアイドルグループのイメージとはまた違う“令和の女性アイドルグループ”が今後も増えていくことが予想される。 Text by Mariko Ikitake 【Billboard JAPAN TikTok Songs Chart of the Year 2024】トップ20 1位「Bling-Bang-Bang-Born」Creepy Nuts 2位「Athletic Meet "Heaven and Hell"」Shinonome 3位「Giri Giri」KOMOREBI 4位「Magnetic」ILLIT 5位「おともだち」edhiii boi 6位「全方向美少女」乃紫 7位「Piano music and BGM that match the emotional scene」syummacha 8位「かわいいだけじゃだめですか?」CUTIE STREET 9位「はいよろこんで」こっちのけんと 10位「愛とU (Sped Up Ver.)」Mega Shinnosuke 11位「元彼女のみなさまへ」コレサワ 12位「ベランダ feat. 戦慄かなの」ヤングスキニー 13位「一目惚れ」舟津真翔 14位「UCHIDA 1」GINTA & ODAKEi 15位「ガチやべぇじゃん feat.ななもり。」P丸様。 16位「3:03 PM」しゃろう 17位「Malatanghulu」SEO EVE 18位「Escort」もっぴーさうんど 19位「Moshi Moshi (feat. 百足)」Nozomi Kitay & GAL D 20位「シカ色デイズ」シカ部 [鹿乃子のこ(潘めぐみ)、虎視虎子(藤田咲)、虎視餡子(田辺留依)、馬車芽めめ(和泉風花)] 集計期間:2023年11月27日(月)~2024年11月24日(日)
【関連記事】
- Billboard JAPAN 2024年年間チャート発表、Creepy Nuts/Snow Man/Mrs. GREEN APPLEが首位
- 【ビルボード 2024年 年間JAPAN Hot 100】Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が週間で13連覇、通算19回の首位で年間を制す(コメントあり)
- 【ビルボード 2024年 年間Heatseekers Songs】こっちのけんと「はいよろこんで」が年間1位に(コメントあり)
- <2024年Artist 100年間首位記念インタビュー>広がる活躍の場、それでも変わらないもの――2024年を駆け抜けたMrs. GREEN APPLE、自らを突き動かす想いを語る
- 【ビルボード 2024年 年間UGC Songs】Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」断トツ1位、ユーザーに好まれる要素とは