「バイトを弾かない」飛距離至上主義へのアンチテーゼ。アングラーが必要な性能を突き詰めたニューモデルが登場
メインテスターは久保田剛之さんと中野慶一さん
このモデルには、フィールドテスターの久保田氏と中野氏の2名にテストを依頼した。テンリュウテスター陣では東西を分かち合うビックフィッシュハンターであり、関東の激戦区である湘南のサーフエリアがホームフィールドの久保田氏と、九州屈指の大物が狙える志布志エリアがホームの中野氏に、2シーズンに渡って釣果を重ねて貰った。昨年(2023年)の暮れに、fimo-TVにてテスト中である事を紹介する動画が公開となっている。この時点でロッドの完成度は7割程度まで来ていたが、まだ納得が行かずに再試作を行うことになっていた。そのあたりの話は、下記の裏話にて紹介していこう。 さて、この機種はサーフ向けシーバスロッドであることを掲げて開発をスタートした。私の一存で、最初の試作1作目は飛距離を優先してパリパリに仕上げたロッドにしていた。そこでテスターのお二人に渡したところ…、すぐに返答があり、そろって「硬い」との返事だった。 前述の通り、硬いロッドほど反発力に優れるため飛距離を出しやすくなる一方、シーバスのバイトは弾きやすくなってしまう。また自重とバランスが悪いせいか、持ち重り感も良くないとの事だった。次のサンプルでも硬いとの返事で、回を重ねる事に徐々にソフトなアクションに変化させていき、モーメントの面も改善させて持ち重り感を減らす様にしていった。そして、例のfimo-TVのロケを行う頃には4~5本目の試作ロッドをテストしている段階であった。テストは佳境に入っており、2種の試作ロッドからどちらか1本を選ぶ段階となっていた。 その違いは… ①やや飛距離を優先したアクションで、全体的に張り感を出して振り切りやすいのが特徴のモデル。 ②バット部に張り感は残して振り切りやすくしながら、柔軟なティップを持たせて、僅かながら飛距離を犠牲にしながらもバイトを弾きにくい硬さを求めたモデル。 以上の2タイプから選ぶことになっていたのだ。