元カーライル幹部のファンド、ライオン株を取得-成長戦略提案へ
(ブルームバーグ): 米カーライル・グループ出身の大塚博行氏らが立ち上げた投資会社「ジャパン・アクティベーション・キャピタル(JAC)」(東京都港区)は10日、ファンドの1号案件として日用品メーカーのライオンに投資したと発表した。少数株主として、成長戦略の提案などを行う。
発表によると、株式を取得したのは9日付。ライオンの持続的な成長と企業価値向上に向けたパートナーシップ契約を締結した。大塚氏によると、出資比率は5%未満。ライオンの中期的な成長を加速させるため、海外での提携先との戦略練り直しや、国内ブランドの選択と集中などを提案していきたい考えという。
ライオンの竹森征之社長は「JACの幅広い視野からの提言と実行支援に期待している」と発表資料でコメントした。10日のライオンの株価は一時、前日比2.6%高の1633円まで上昇した。
JACの1号ファンドは、国内大手金融機関から資金を集め、約1300億円で運用を開始した。短期的な株価向上策を求めるアクティビスト(物言う株主)とは異なり、国内の成熟した大企業に投資し、少数株主として再び成長軌道に乗せるための戦略を提案する。
大塚氏は、ライオン以外にも投資パイプラインは積み上がっているとして、四半期ごとに1-2社程度のペースで投資先が増えるとの見通しを示した。
同氏はカーライルの日本拠点で副代表として大企業案件などを担当した。昨年カーライルを退社し、投資会社を設立。今年7月に、運用するファンド名と同じジャパン・アクティベーション・キャピタルに社名を変更した。
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Takako Taniguchi, Eddy Duan