「旧動燃差別是正訴訟」控訴審 争点は被告免責する消滅時効
消滅時効は許されない
最後に、加藤健次弁護士が本件訴訟の意義と、一審被告の動燃による差別の実態に言及。 また、最大の争点である消滅時効について、近年、優生保護法などをめぐって除斥期間を適用しない判示がなされたことに触れ、「憲法上許されない思想・信条による差別を秘密裏に行なってきた一審被告の損害賠償責任が、一審原告らがその事実を認識できなかったことをもって、限定されることは、明らかに公平に反するものであり、到底許されることではない」として一審判決の問題点を指摘した。 報告集会では、平井哲史弁護団事務局長が、一審判決は動燃本社総務部次長だった西村成生氏が作成した「西村資料」に全面的に依拠し、動燃による差別政策、昇格差別を認定したことを紹介。 そのうえで、被告の控訴理由書について「ほぼ一審の焼き直し。いまだに西村資料を否定し、『動燃労内の路線対立に関し双方の活動の実情等を把握し、場合によっては双方に対し必要な配慮につき検討する必要があった』などと言い訳をしている。また昇格の遅れは適切な人事評価によるものだとしている。しっかりと反論をして、早期にいい解決を迎えたい」と完全勝訴に向けて意気込んだ。
稲垣美穂子・フリーランスライター