【詳細解説】年金は何歳から受給がお得?平均寿命からは見えない意外と長い…老後 6月から年金増額も実質は今後20年“目減り”の人も! ケース別・年金受給開始の理想年齢を専門家がわかりやすく解説
6月支給分から増額となる年金。しかし、昨今の物価高に加え年金の受給額は、今後20年も“目減り”が続くといわれています。私たちは、何歳まで働けばいいのか?何歳から年金を受給すれば、お得なのか?実は、“誤解”が多いこの年金問題を年金のプロ、社会保険労務士の井戸美枝氏が解説します。 【動画で見る】収入は月額4万5000円のみ…年金受給日当日の“リアルな暮らし”に密着
2024年6月から年金受給額アップ その額は?「マクロ経済スライド」で実質的には目減りのワケ
6月支給分から年金受給額が2.7%アップとなります。その内訳ですが、年金を40年納付した場合、国民年金が1750円アップ、会社員や公務員などの場合、国民年金に加え厚生年金が2501円のアップとなります。これは、1992年以来最大の引き上げ率となっています。平均的な収入で、40年間働いた場合のモデルケースでは、夫が会社員・妻が専業主婦の場合、夫婦で6001円のアップとなります。夫婦とも自営業の場合は、夫婦で3500円のアップ。夫婦ともに会社員の場合、夫婦で8502円のアップとなります。
しかし、年金受給額の実質“目減り”が、今後20年間も続くといいます。そこでポイントとなる言葉が「マクロ経済スライド」です。年金制度維持のために、賃金や物価上昇に対して、将来の現役世代の負担が重くならないよう年金支給額を抑制する仕組みです。例えば今年度の場合、本来は物価などの上昇に合わせて+3.1%となりますが、年金制度の維持のために+2.7%に抑えられています。
(社会保険労務士の井戸美枝氏) 「私たちが払っている年金保険料は、固定されていて『これ以上は上げませんよ』という約束なんです。なので、受け取る方は『物価や賃金の上昇より少し下げた年金額に調整しますよ』ということになっています。しかし、“目減り”が20年続くというのは国民年金の場合で、厚生年金は2025年に解消される予定です」 Q.+3.1%にすると若い人の年金負担率が高くなったり、年金制度が破綻するということなのですか? (井戸氏) 「現役世代の保険料の上昇を止めているので、受け取る方の年金の同じだけの上昇では、バランスが悪くなります」 Q.国民年金だけの人は2046年ごろまで“目減り”が続くというのは大変ですよね? (井戸氏) 「第一号といわれる人の目減りが多く、できるだけ厚生年金の方に入ってもらって、調整を早く終わらせようという厚生年金の『適用拡大』が始まっています」
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