衆院選の投票率「60・82%」で全国トップは山形県、これで国政選5連覇…要因は「真面目な県民性」?
10月27日に投開票された衆院選で、山形県内の投票率(小選挙区)60・82%は全国トップだった。参院選も含め、国政選挙の投票率で「5連覇」を達成。投票率が高い理由ははっきりとはわからないが、「真面目な県民性」「3世代同居率の高さ」などを要因として挙げる声もある。(仲條賢太) 【写真】不在者投票と期日前投票の違いは
唯一「60%超」
県内の投票率は、2017年の衆院選から全国1位を維持している。前回21年の衆院選は64・34%で、全国平均(55・93%)を大きく上回った。
その後、投票率は減少傾向にあるものの、22年の参院選(61・87%)、今回の衆院選(60・82%)と、都道府県別で60%を上回ったのは山形県だけだった。
今回の衆院選は、前回衆院選より3・52ポイント低下したが、全国平均53・85%は大幅に上回った。なお、最下位は広島県の48・40%だった。
県選管は投票率の高さについて「明確な背景を言うのは難しい」としつつ、「地道な啓発活動が実を結んでいるのではないか」としており、次回の国政選での「6連覇」も視野に入れる。
特徴的CM
「山形県民は選挙に行っちゃってる!」
公示後に放送されたCMでは、人気お笑いコンビ「コロコロチキチキペッパーズ」のナダルさん(高畠町生まれ)が、自らのギャグ「イっちゃってる!」をもじって投票を呼びかけた。ナダルさんは21年の衆院選でもCMに起用され、好評だったという。
このCMはテレビ、ラジオ、動画配信サイト「ユーチューブ」に加え、今回から民放の無料動画サイト「TVer(ティーバー)」で流された。ユーチューブの場合はCMを途中で飛ばせるが、ティーバーではそれができず、視聴者に最後まで見てもらえるのがメリットという。
県選管は若者向けの啓発にも力を入れており、初めて選挙権を持つ18歳向けの啓発として、県内の高校に対し、校内放送で投票を呼びかけるよう依頼した。高校などへの出前講座は23年度に42回実施し、前年度の1・4倍に増やした。