[山口県]内村航平さんと南一輝選手が体操教室「J:COMアリーナ下関」開館記念事業 下関市
体操競技の五輪金メダリストで元体操選手の内村航平さん(35)と、世界体操競技選手権金メダリストで下関市出身の南一輝選手(24)による体操教室やトークショーが1日、同市向洋町の市総合体育館「J:COMアリーナ下関」であり、市民や地元の小中高校生らに体操の魅力や上達のこつを教えた。 【写真】子どもたちに床運動の着地のこつを教える南一輝選手=1日、下関市向洋町 8月6日に供用を開始したJ:COMアリーナ下関の開館記念事業の一つとして、市が主催した。内村さんは北京から東京までの五輪4大会で個人総合2連覇を含む三つの金メダル、四つの銀メダルを獲得するなど活躍し、2022年に現役を引退した「体操界のレジェンド」。南選手は地元の下関国際高校卒業生で、23年にベルギーで開催された世界体操選手権では団体総合で金メダル、種目別床運動で銀メダルに輝くなど国際的に活躍する「床のスペシャリスト」だ。 集まった約2500人の観客らを前に、内村さんは鉄棒種目、南選手は床運動種目のエキシビションをそれぞれ披露し、力強く華麗な技を決めるたびに会場から大きな拍手が起こった。 トークショーでは内村さんが「30代になると思うように体が動かなくなるが、できなくなる自分を逆に面白いと感じるなど、楽しくないことも常に『楽しい』と思う発想の転換が得意だった」「体操種目がリスペクトされる競技になるように今後も技術を広めていく。小さい子には運動の基本となる体操にたくさん触れてほしい。自分の体が動き続ける限りは(技を多くの人に)見せていきたい」と語った。 南選手は「自分も体操をやめたいと思ったこともあったが、小学生の時は練習がきつくても諦めずに続けるのが大事」「目標とする五輪での金メダルという結果を出して、地元で応援してくれる人に恩返しし、体操クラブに良い影響を与えたい。(4年後の)ロス五輪で金メダルを獲得したら凱旋(がいせん)パレードしたい」と誓った。 体操教室は内村さんが高校生4人に鉄棒を、南選手が小中学生30人に床運動を指導。豊浦高校2年の生徒(16)は「みんなが憧れる内村さんから教わった経験は自分の強みになる。これからの体操人生に生かしていき、さらに競技レベルを上げたい」、王司小学校6年の児童(11)は「着地をしっかり決められるよう、南選手から教わった通りに骨盤を使うことを意識していきたい」と話した。