物価高騰でクレーンゲームの景品に変化? 平日の日中は主婦層、休日は親子連れ 年々ファミリー層の来店増加
長引く物価高騰が、山陰両県内のゲームセンターにあるクレーンゲームに変化を及ぼしている。景品で定番のおもちゃやフィギュアに加え、飲料用水や洗剤、レトルト食品などの割合が徐々に増加。実用と娯楽を兼ね備えた仕掛けが、物価高騰で遠出を控える家族連れや主婦に受け入れられている。 【ゲームセンター】「ゲームオーバー」はまだ早い 苦境のゲームセンター 生き残り策は?
Gパラ出雲店(出雲市渡橋町)の店内にあるクレーンゲーム台の中には、0・5リットル、1・5リットル、2リットルのペットボトル飲料がずらりと並ぶ。「釣り」と呼ばれる種類で、フック付きのクレーンを操作し、うまく引っかかれば商品が一気に落ちる。フック一つに0・5リットルのボトル8本がひも付く景品は1回100円で挑戦できる。 クレーンゲーム75台中21台の景品が消耗品や実用品。トイレットペーパーやティッシュは人気キャラクターが付き、袋入りラーメンやゼリー、レトルトカレーなど種類は豊富だ。 吉川由香里店長によると、物価高騰を背景に今年に入ってから景品の種類を拡充。休日は親子連れ、平日の日中は主婦層が足を運ぶ。「各家庭が娯楽費を絞り、遠出より近場のゲームセンターにという人も多い。日用品は今後も一定のニーズがある」と見込む。 約200台をそろえる回遊館出雲店(同市高岡町)も、今年に入ってから景品に洗剤、消臭剤、レトルト食品などを増やした。宇野智店長は、客層がファミリー寄りになり「同じお金を使うなら、子どもを楽しませつつ、日用品を取りたいという意識の人が増えている」と話した。
日本クレーンゲーム協会(埼玉県)によると、年々ファミリー層の来店が増え、クレーンゲームの設置台数も増加しているという。緑川裕一理事は「店側は客層に応じ商品を設定するので日用品が必然的に増える。客側は日用品を取りに来るというより、楽しんだ結果、持ち帰ればラッキーという感覚の人が多いのでは」と分析した。