脱炭素の街を市民目線で 松本で「気候会議」始まる 専門家から学び提言へ
2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指す、長野県松本市の「ゼロ・カーボンシティ」実現に向け、市民目線で取り組みを考える「気候市民会議まつもと」の初回が7日、市立博物館で開かれた。無作為抽出で選ばれた市民49人が参加して専門家の話に耳を傾け、検討の土台となる知識を深めた。 初回は東京大学未来ビジョン研究センターの江守正多教授と、県環境保全研究所の浜田崇主任研究員が話題提供者となり、世界と松本地域の気候変動の状況などを説明した。 江守教授は、温室効果ガスを抑制する技術はあるとし、産業革命に匹敵する「社会の大転換が必要」と強調した。「市民に何ができるか」を考える際には節約で「我慢をする」のではなく、それらの技術を積極的に生活に取り入れていくことを助言した。 参加者は7グループに分かれ、説明を聞いて気付いたことや、疑問、心配事を出し合って共有した。松本市小屋北の女性は「気軽に参加したけれど、自分の知識量が少ないと感じた。対策が切羽詰まっていると知り、考えを改めなければと思った」と話していた。 会議のメンバーは、市が無作為抽出で市民5000人に案内を送付し、参加表明した274人から、性別や年齢、地域バランスを考慮して選ばれた。会議は来年1月25日まで全6回開かれ、気候変動対策を考えて市への提言を目指す。
市民タイムス