滋賀県庁本館改築85年、信楽焼の置物など当時の記念品発見 大津の男性所有
発見された3つの記念品のうち、残る銀製シガレットケースについても関連する文書と見積書が見つかった。
表に県庁本館、裏に定礎銘がデザインされたシガレットケースの数は、ぐっと減って120個。「特別の技術が必要」として、大阪市内で記念品などを取り扱う「尚美堂(しょうびどう)」と随意契約を結ぼうとしていたことがわかる。
見積書によると、単価は13円80銭。ちなみに当時の一般職員の平均月給は約68円70銭だった。
尚美堂は明治33年の老舗で、現在も大阪市中央区平野町に店を構える。当時から法人や団体向けに記念品の作成を請け負っていたといい、社長の江藤克二さん(70)は「記念品として、当時は灰皿やたばこケースがよく売れていたようです」と教えてくれた。
ほかにも県から同社に純銀製の花瓶を依頼した書類もあった。数量は74個で、単価も54円と値が張る。
『滋賀県庁舎本館』の著者の一人で元県職員の池野保さん(68)は「高額寄付者や政財界のお偉いさんなど限られた人に配られたのでは」と話す。ただ、この純銀製の花瓶については、実物の発見に至らなかった。
記念品を所持している高谷さんは「どんな物なのかずっと気になっていた。価値がある物であれば、いずれは寄付したい」と話している。