女子サッカー・澤穂希が引退会見【全文2】
つらい時期は何を励みに乗り越えたのか?
日本テレビ:日本テレビ『ZIP!』の平松修造と申します。澤選手、本当にお疲れさまでした。先ほどの話で、2004年アテネのアジア予選のときにつらい時期を過ごされたという話がありました。きのう、荒川選手に話を伺ったところ、その時期に初めて澤選手の悩まれる姿、弱音を吐く姿というのを見たとおっしゃっていました。そういった時期を、何を励みにどうやって乗り越えてきたんでしょう。 澤:荒川さんには弱音は吐いてないんですけど。 複数:(笑)。 澤:でも、本当に、やっぱり手術するぐらい大きなけがだったので、自分のけがとの不安もありましたし、アテネのオリンピックに行けるかっていう、今後の女子サッカーはどうなるのかというのも正直思って不安にはなりました。でもやっぱり、本当にそのときも一緒に戦ってきた仲間がいて、その前に私のリハビリを手伝ってくれたドクターやトレーナー、そして仲間が苦しいリハビリも一緒に走ってくれたりとか、本当にたくさんの方々に支えられて、それで本当に乗り越えることができました。 日本テレビ:何かそういった時期に周りの方から掛けられた印象に残っている言葉はありますか。 澤:でも、まあ、これというよりは、やっぱり行けるか行けないか、不安のときのみんなのやっぱり、絶対大丈夫っていうその、大丈夫っていうその一言で、本当になんか頑張れたりするので、私自身もやっぱり後輩が緊張してたりとか悩んでたりするときは、いつも大丈夫だよっていうのは声を掛けるようにしているので、やっぱり本当に大丈夫だ、大丈夫だよっていう一言は私にとってもすごく励ましの大きな言葉です。 日本テレビ:ありがとうございました。 司会:通路にお座りの。 J:COMテレビ:府中のケーブルテレビのJ:COMのカネコと申します。澤さんを育てた府中の方には、やはりファンの方いっぱいいらっしゃいます。府中のファンの方に何か声を掛けるとしたら、どういうことを掛けられますでしょうか。 澤:本当に私は府中で育ったので、その府中のサッカーチームがあって今の自分があると思うので、本当に自分を教えてくださった監督、コーチを始め、サポートしてくれた府中の皆さんに、本当に感謝の気持ちを伝えたいです。 J:COMテレビ:今後、府中で何かもしかしたら活動するっていうことはございますでしょうか。 澤:現時点ではまだ具体的にどういう仕事をやっていくかというのが分からないんですけれど、自分の地元のために何かできることがあれば、それは積極的にやっていきたいと思います。 J:COMテレビ:分かりました。ありがとうございます。 司会:では、白い上着を着ていらっしゃる女性の方。 NHK:NHK『ニュースウオッチ9』の佐々木と申します。よろしくお願いいたします。20年以上も現役生活を続けてこられる中で、持ち続けてきた思いはどんな思いがありますか。 澤:持ち続けた思いっていうのは、本当にここまで何十年やれるっていうのは、純粋にサッカーが大好きだったので、もうその思いだけです。 NHK:自分が引っ張っていくんだとか、そういった思いに途中から変わってきたりしませんでしたでしょうか。 澤:自分が引っ張っていくっていうよりも、本当にまあ、言葉で言っても、言葉だけで言ってもやっぱり伝わらないものもありますし、やっぱり実際、グラウンドで結果を出す、そういう選手であれば、まあ後輩たちも付いてきてくれるかなという思いで、まずは、グラウンドで結果を出すという思いでやってきました。 NHK:あらためて、女子サッカー界を見つめ続けてきて、背中を見せてこられました。ご自身の役割はどんな役割を果たせたとお感じでしょうか。 澤:どうですかね。いろいろ、皆さんというか、言ってくださるのは、やっぱり大事な、本当にここぞっていうときに決める勝負強さの選手っていうのもあったので、そういうところは皆さんに伝えられたのかなという感じはしますけど。 NHK:最後に1つだけ。サッカーが大好きとおっしゃいましたが、つらい時期もおありだと聞きました。サッカーが嫌いになったことは一瞬もないですか。 澤:サッカーが嫌いになったことは一度もないです。 NHK:ありがとうございました。お疲れさまでした。 <続く>