『光る君へ』その後。紫式部の孫と清少納言の孫は恋愛スキャンダルを起こし…記録があまり残っていない<有名女流文人の次世代>のナゾに迫る
◆『源氏物語』は次の千年紀も生き続けていく 本名すらわかっていない“紫式部”という下級貴族の女性が書いた『源氏物語』は、鎌倉時代までに多くの派生小説を産むことになります。 室町時代には注釈書が作られ、江戸時代には大名家の姫の花嫁道具になり、一方で版本が広く読まれて、最初の近代的注釈書と言える本居宣長の『源氏物語玉の小櫛』も生まれました。 近代になると与謝野晶子や円地文子の全訳本や、田辺聖子の宝塚歌劇にもなった『新源氏物語』などを通じて、世に広がっていきました。今や『源氏物語』は多くの外国語にも翻訳され、海外にも読み継がれる「世界の古典」になっています。 そして本年、紫式部が主役の大河ドラマ『光る君へ』が作られ、平安時代の女性たちと現代の女性たちが新たな出会いをすることができたことを私は驚いています。 『源氏物語』は間違いなく次の千年紀も生き続けていくことでしょう。
榎村寛之
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