世界が注目!秘境路線バスの旅 廃線寸前が人気スポットに 運転手泣かせ“過酷道”も
■危険な道も「まるでジェットコースター」
この日、祖谷線に乗っていたのは、九州大学の留学生2人組。ずいぶん大きなリュックですが…。 ウクライナから ビタリーさん(30) 「僕らはテントや寝袋すべてを持ってきて、今晩も近くでキャンプするんだ」 秘境を探してはキャンプ生活を送っているという2人。観光スポットだけでなく、バスからの車窓すべてが魅力的だといいます。 東ティモールから イマクラダさん(28) 「いつも電車に乗る時は寝てしまうの。でもこの路線バスに乗ってたら寝られないわ。だってこんな感動的な景色が見られるのよ」 すると、突然バスがストップ。狭い道に対向車が来ていたんです。この路線ではこうした緊張感も一つの楽しみです。 ビタリーさん 「危険な道だね」 イマクラダさん 「曲がりくねって狭い道だから、まるでジェットコースターみたい!」 しかし、実はこの地域には、この路線以上に危険な道を走る路線バスがあるんです。
■地元住民に寄り添う“過酷道”バス
山あいの細い一本道を走る「漆川(しつかわ)線」。バス運転手から、「この道がイヤと言って辞めた運転手が何人もいる」「私が知っているのでも(辞めた運転手は)3人くらいはいる」という声が聞かれるほど、バス1台が通るのもやっとの狭さです。 さらに続く、曲がりくねった山道。運転手も逃げ出す、過酷な路線バスです。 ひとたび対向車と遭遇すれば、バックしかありません。この時はなんと200メートル近く下がっていました。 バス運転手 「(Q.日本有数の過酷な道?)そう言うよ。みんなね」 漆川線の走る沿線は、高齢者が点在して暮らす過疎地。 乗客 「もう人間よりも猿やイノシシの方が多い」 「(このバスは)自分の足じゃけん、無かったらどうしようもないな」 この路線バスには地域に根付いた、こんなサービスもありました。こちらは街の中心地から乗った、買い物帰りの女性、すると…。 乗客 「すいません!お願いします」 バス運転手 「坂のところね」 乗客 「(Q.場所指定ができるんですね?)助かるんですよ。いつも『ここで』と言ったら降ろしてもらえるんで」 路線バスは、地元住民に寄り添いながら走っています。