土壇場からの逆転で初優勝の姫路、日本代表の井上愛里沙「全て出し切った」 バレー全日本
バレーボールの全日本選手権第5日は21日、Asueアリーナ大阪でSVリーグ勢による女子決勝が行われ、姫路がSAGA久光に3―2で逆転勝ちし、初優勝を果たした。 最後は井上が、レフトから渾身(こんしん)の力を振り絞って打ち抜いた。姫路が創設以来の初タイトルに手にし、選手たちは腕を突き上げ、歓喜に沸いた。 第1セットを落とし、第2セットも一時は大量リードを許した。それでも日本代表の井上や宮部、タイ代表のチャッチュオンを軸に粘ってつなぎ、反撃の機会をうかがった。 途中からはブロックの高さを生かすために186センチのアナも投入。セリンジャー監督は「ここで流れが変わった」と振り返る。23-25で第2セットも落としたが、「いい意味で開き直った」という。 「私たちに失うものはない」(宮部)という気迫に押されたか、第3セット以降の相手はミスを連発。最終セットはシーソーゲームとなったものの、最後を決めた井上は「すべてを出し切った」と充実の表情だった。 昨季は2部で戦う悔しさも味わった。最終的にスパイク総数も決定率も相手を下回ったが「悔しい経験が自分たちを強くしてくれた」と宮部。井上が「ここからがスタート」と話すように、まもなく再開するSVリーグでも勝負はまだまだ続く。(嶋田知加子)