新型ホンダCR-V e:FCEVの登場が、人類にとって大きな一歩になるかもしれないワケとは?
実質300万円になるかも!?
発売は2024年夏とされている。もうちょっと具体的にボーナスシーズンということになる。とりあえずのパワートレインはこの燃料電池のみで、ほかのCR-V、1.5リッターの直4ターボや2.0リッター直4+2モーターのハイブリッドはいまのところ候補にはない。それというのも、1ドル=150円の円安だからで、CR-Vは入門用モデルでも米国で2万9500ドルから始まっている。単純に日本円に換算すると、442万5000円になる。ライバルのトヨタ「RAV4」は298万円からだから、日本に持ってきても競争力がない。と、判断されたのかもしれない。 それでは、e:FCEVは? というと、燃料電池車には政府・自治体の補助金が期待できる。たとえばトヨタ「ミライ」は車両価格6060万909円だけれど、CEV(Clean Energy Vehicle)補助金が145万3000円、出されている。東京都だと給電機能付きの燃料電池車ということで110万円の補助が期待できる。合わせておよそ250万円。ホンダが2021年9月に終了した「クラリティFUEL CELL」は783万6400円だったけれど、CR-V e:FCEVはGMと共同開発の新しいFCシステムを搭載している。 このシステムはクラリティ用と較べて、白金使用量やセル数の削減、それに量産効果によってコストを3の1に抑え、耐久性で2倍を確保、-30℃の低音指導時間を断機制御によって大幅に低減しているという。ベース車両に、クラリティのような独自のボディではなく、2023年のUSA市場でベストセラー第6位のCR-Vを選んだのも、コスト低減のためだと考えられる。 FCシステムが3分の1なら、価格も30%ぐらい安くなるかもしれない。もしクラリティの車両本体価格の30%引きだと、およそ550万円。ここから政府と東京都の補助金250万円を差し引くと実質300万円で購入できる。ま、300万円は安すぎるとしても、CR-V e:FCEVはFCEVの量産化と普及の道を探るホンダの実証実験であり、本格的普及型のFCEVはさらにこの後に続く。それはCR-V用のFCスタックの2分の1以下のコストで、耐久性を2倍以上に引き上げたものになるはずだ。