アイドラが語るデビュー10周年の現在地、海外での活躍、NYをテーマにした特別な新曲
自分も情熱を注げることを見つけられてよかった
─リリース後には、デビュー10周年を記念して4月30日から本州以外の全国13都市で「ISLAND TOUR」が開催されて、秋からの8都市10公演に加え、国外公演も含めたバンド初となるアジアツアー「"FOCUS” ASIA TOUR」も決まっていますね。 SHUKI:「ISLAND TOUR」に関しては、僕らのことを初めて観るお客さんがたくさんいると思います。バンドサウンドで行こうと固まったからこそ、ライブをこれだけ多くやれるのは、僕らにとっても一番いいタイミンだなと思いますね。アジアツアーに関しては、昨年から海外でたくさんライブをやらせてもらえる機会があって、「自分達がやろうとしていた方向は間違っていなかったんだ」って日本と海外どっちでもライブをやったことで気づけた部分があるので、それを踏まえて作った楽曲を演奏するのは楽しみですね。 CHOJI:10年の中で、ラジオやテレビでファンになってくれた方もいると思うんですよ。でもスケジュールの都合や、住んでいる地域から会場が遠いなどの理由で、ライブに来れてなかった人もいて。そういう方たちにこそ、ぜひ来てもらいたいのが「ISLAND TOUR」。アジアツアーに関しては開催する秋までに、また何曲か発表して、今自分たちの中で見えているI Don’t Like Mondays.のライブ感をより具体的に伝えられると思います。 KENJI:「ISLAND TOUR」で言うと……そもそも普通のバンドはデビュー前にこうやって各地でドサ回りをするものなんですよ。僕らは初期に全然やっていなかったので、そういう意味では最初にやりたかったことをリクープしに行くツアーですね。アジアツアーに関しては、「PAINT」を出してから海外でライブできるようになって。今回はその延長で海外でライブする機会が増えたし、日本もいろんなところを回れて。ようやく10周年で僕たちがやりたかったことのベースが全部揃った感じなので、あとはいい曲を用意するだけですね。 YU:バンドとしての意気込みはみんなが話してくれたので、ボーカリストとしてお話しすると、10年かかってようやく自分がボーカリストである自覚が芽生えてきたんですよ。テクニカルなことですけど、レコーディングもそうですし、テレビ収録だったりイベントだったりといろんな活動をしながら、発声方法などの改造をするのってすごくリスキーで。ただ、去年からボーカリストとしても、さらに上に行かなきゃいけないなと思って、普通はやらないなと思うチャレンジを思い切ってやったんですよ。まだ過程ではあるんですけど、自分の中では道筋が見えてきてる段階で。去年とは比べ物にならないぐらい、自分自身がスキルアップしている。あと、ライブも楽しめるようになってきたので、その思いを「ISLAND TOUR」ではぶちかましたいなと思います。アジアツアーでは、それをさらに爆破させたいという自分の中での課題があるので、ぜひ観に来てほしいです。 ─最後の質問になりますが、10年の中でバンドや個人として変化を感じる部分はありますか? KENJI:んー、なんでしょうね? ─メンバーに対して「ここが変わったな」とかでも。 KENJI:性格は全然変わってないんですよね。 YU:性格もそうだし好きなことも変わってないよね。バンドとしてはみんな好奇心旺盛で、自分達の“できる範囲”という池の中で泳ぎたくない。だから新しいスキルを身につけて、もっと大きな池を泳いで、いずれは大海原に飛び出したいタイプなので、様々なことにトライしてきたんです。でも、やっぱり好きなものって変わってないんだなって。それこそ「New York, New York」で再確認しましたし、できることを広げてきたので、次は深くしていきたいですね。だから……変わっているようで変わっていない10年でした(笑)。 SHUKI:でも、全体的には昔の方が「よく見せよう」とか「大きく見せよう」とか考えていた部分があるけど、今は本当に自然体になれていて。それが純粋にカッコいいなと思います。それは自分のことだけじゃなくて、力の抜き方を覚えたというか。 KENJI:あと、演奏がタイトになってきてるのは感じるかな。 YU:変化で言うと、より音楽が好きになったなと思いますね。当時はリスナーとしてバンドが好きで音楽を始めたけど、プレイヤーとして10年やってきて「プレイヤーって結構楽しいな」って。 ─酸いも甘いも知った上で、楽しいと思えるのは一番いいですよ。 YU:飽きない職業を選んで良かったなと思いますね。ちなみに僕は幼少期からゴルフをやっているんですけど、周りを見ていると30代からゴルフを始めて熱中する人が多いんですよ。なんでだろう?と考えてみると、みんな何かしら情熱を注げることを見つけたいんだなって。ゴルフもそうですけど、練習してうまくなって、いいスコアが出て喜ぶ。言ってしまえば、自分との戦いじゃないですか。それを乗り越えていくのが楽しくて、情熱を注ぐんだと思うんです。僕の場合は、まさに音楽がそう。自分も情熱を注げることを見つけられてよかったな、って。仕事でも遊びでもいいと思うんですけど、情熱を注げることを見つけた方が人生は楽しいと思いますね。 ─話がそれちゃうんですけど、例えば芸能界でも重鎮にいる人ほどゴルフをやっているじゃないですか。その理由は「ゴルフほど自分の思い通りにならないスポーツはないから」らしいですよ。 YU:それで言うと、歌も相当自分の思い通りにならないから同じかも(笑)。 ─へえ! 歌はある程度コントロールできるものだと思っていました! YU:本当だったらこの曲はこう表現したいけど、自分のスキルが追いついてなくて、理想に近づくために練習するけど、そこまで辿り着いたら、さらに上があるっていう。どこまでも続いていく階段を永遠に上がって行くって意味では、なんでも一緒だと思うんですよね。“そこで満足できたら終わり”みたいな考えがあると思うんですけど、満足できないんですよ。もっと上へもっと上へと求めたくなる。それが面白さでもあるし、物質世界で生きる僕らだから楽しめる特権だなと思います。だからこそ、僕らも上へ上へと目指していますし。 ─確かにそうですね。今日お話を聞いて、ますますアイドラの今後が楽しみになりましたよ。 YU:嬉しいです。このバンドが映えるのって、40代からだと思っているんですよ。僕は今35歳なのでまだまだ下積みですね(笑)。どんどん良くなっていきますよ。 <リリース情報> I Don’t Like Mondays. 「New York, New York」 配信中
Satoshi Shinkai